【コラム】決断したことをいかに受け入れるべきか

「プレデター ザ・プレイ」を観るためにディズニープラスに入ったところ、特に他に観たい映画も無かったのだが元を取らないと、、、という気持ちになり過去にもう観た作品だが「悪の法則」が目に入った。

アメリカが誇るピューリツァー賞作家のコーマック・マッカーシーが脚本を書いたというこの映画。10年近く前に観たと思うけど、そこまで大きな衝撃は受けず、「ノーカントリー(原作:「血と暴力の国」はおなじくコーマック・マッカーシーの小説)」に似てるけど「ノーカントリー」ほど面白くはない映画、ということで記憶の彼方に消え去っていた。

※こちらは無料記事です

当時なぜピンとこなかったのかが自分でもわからないが、こないだ観た感想としては「もう俺の人生ナンバーワン映画と言ってもいいんじゃないの?」と思えるぐらいハマった。めちゃくちゃ面白い。傑作やろこれは普通に。

この映画の魅力をアレコレと語るのはなんだか野暮な気もするが、コーマック・マッカーシーは確かこの記事を書いているいま、89歳ぐらいで、もうおそらく遠からず旅立ちますよね、神の国に。その割に最後に読んだ彼の小説は「チャイルドオブゴッド」で、彼自身の最新作は「ザ・ロード」だと思いますが、今年の10/25に『The Passenger』が、11/22に『Stella Maris』という、タイトルしかまだわからないんだけど、2冊刊行されるようなんですよ(原著が)。「ザ・ロード」が遺作になるのかもと不安だったのだけど、本当に良いニュースです。

これらが日本語訳される日は、いつ来るのか、ひょっとしたら邦訳されぬまま放置される可能性もあるんで泣けますけど、それに先立ってということなんでしょうね。「果樹園の守り手」という御代の長編デビュー作がようやく邦訳されて9月5日に発売されます。嬉しすぎますよ、、、、ほんと。。。

ようやくかよ、、、遅すぎるぜマジで、、何年かかってるんだ?!1965年の小説だからリアルに半世紀以上の時を経て、ってやつだ。ほぼ古典だろ。
今まで訳文は全て黒原敏行氏が手掛けていたが、今回は違うようなのでそこはちょっと不安なんですけど、ある意味別の人が訳したらどんな文章になるんかな?っていう興味のほうが今は強い。だから楽しみ。早く読みたいなあ。KINDLEで買うのか、ちゃんと書店で本を買うのか。多分後者ですけど。

御代の未訳本はあとは「サトリー」と「アウターダーク」という2冊がありますが、これらもどういうわけか完全に日本市場からはシカとを食らっており、それを考えると新作も邦訳されない可能性があり、怖い。でも多分『The Passenger』を訳して売るから「果樹園の守り手」を今このタイミングで発売するのでは?そう考えると、期待に胸が膨らむ思いです。楽しみだな~~。

「チャイルドオブゴッド」や「ブラッドメリディアン」も比較的に初期の作品だが、絶対面白いですよ。「血と暴力の国」もすごく面白い。対していわゆる国境三部作はね、、眠いんですよ、、何がいけないのかわからないけど話が地味で刺激が少ないのかもしれない。そもそも読破できてないんでね、、、まあこれも死ぬまでには読み終えたいと思っているが、、、、読み返すたびにストーリー忘れて最初から読むということを繰り返しており、けっこう活字離れな現代人を泣かせまくるタイプの小説だと思います。

「悪の法則」の話に戻りますが、なぜここまでゴージャスなキャストでこんな無残な話を映画化したのか、、、すごいなあって思う。日本でいえば木村拓哉とか玉木宏とか仲間由紀恵みたいなラグジュアリーな面々が、姿も現さぬ黒社会の男たちに殺され拉致され首を斬り落とされる、、ただそれだけの映画なんだからね。こう言うと映画の真意を読み取れてないと思われそうだが、悪趣味な映画だと思う。よくこの話で資本が集まったもんだと思う。奇跡じゃないかってね。めちゃくちゃ金かかってるでしょだってこれ。やたら豪華。ちょっと出の宝石商までブルーノ・ガンツなんだから(これがまたいい味出してるのよ)。

それを可能にしたのは、やっぱりコーマック・マッカーシーが直接脚本を書いたということなんでしょう。無名の脚本家が書いたとしたら、全く同じ話でもこれは映画化すらされなかったと思うし、ましてやこんなゴージャスなメンツが揃う訳ないんで。リドリー・スコットが監督で、とにかく顔ぶれがすごい。まさかこの映画が大ヒットすると思ってたわけもないだろうに。それほどストーリーが露悪的なんだね。マッカーシーがいかにアメリカで影響力を持っているのかを物語るエピソードとして、一番わかりやすいと思う。これが。

ただ、前作・・・といっていいかわからないが「ノーカントリー」に連なるテーマで、人は誰しもが運命を決する時があって、もがいても足掻いてもどうにもならなくて、ただ要所要所で現れる選択肢を選ぶ、そうやって人生という旅を続けて行くわけだが、もし決定的に誤った選択をしたとしたら、その結果を黙って受け入れなければならないっていう、そういうことだ。令和の若者に言わせたら「え?それがどうしたん?じゃあもう観なくていいね」なんだろうけど、この深みがわかる程度に歳を重ねられて俺も良かったな、って一人で考えていました。

悪いことすればしっぺ返しを食らうよ、ってほんとそれだけなんだけど、この映画。この豪華キャストでも運命は避けがたい、現実は揺るがないってことをガツンと教えてくれる感じがするんですよね。ブラピの死にっぷりとかちょっと信じられない無残さだしね。そこに説得力を感じた次第です。

登場人物は揃いも揃って悪党ばかりなんだけど、スーツやサングラスをバリっと着こなしててカッコいいんだよね。ワルカッコいい感じで。そのカッコいいスターがタフなアクションで悪い組織を1日で壊滅させるなんてのには正直ウンザリしていたわけじゃないですか、我々みんな。だが、この映画は全く逆で、巨悪に対して個人は無力。どんなにイケメンでもカッコよくても逃れる術はないって現実を、反骨として提示してくれた訳なんです。全くアメリカらしくない映画で、ドイツ映画やフランス映画のような、ネクラな映画です。

こう考えるとワクチン3回目4回目打つべきかとか、今会社を辞めるとどうなるのかとか、いい女だけど人妻だし行っちゃっていいのかとかよお。けっこうあるじゃないですか。リスキーな選択肢が。我々の人生には。しばしばと。

最近でいえば副業リーマン潰しの大増税案が国税庁から唐突に発表されたし、それとは別の話だけどインボイスなんて来年から始まる制度もその流れにあるらしい。コロナで不安定になったでしょ?どんどん副業しなさい!ふむふむ君も、君も、貴方も何か副業始めたのかね?じゃ~~~ん!残念!300万未満の収益ではそれは事業ではありません~~~!!雑所得ですぅ~~~!!青色申告認めませ~~ん!税金の優遇はありませ~~ん!損益通算??ダメダメダメ~~!きっちり税金払ってくださ~~い!来年からそうなるからね!覚悟しといて!みたいな。国は本当にこんなことをしているんですよ。もう先はありません。育てるという視点が、もう我が国には無い。

まあ上の流れでいえば、もう選択は既にしてしまったわけで、俺はもうその結果を受け入れるしかない。受け入れたうえで旅は続いていき、また新たな選択肢が現れたときにはまた選択をする。それだけなんですけど、その結果が死であった場合、我々の旅はもうそこで終わりなんである。。

王道サラリーマン路線をリタイアした自分は、厚生年金を僅かしか受け取れないんですが、そんな自分が後悔するのは60歳以降な訳なんです。その時になってこの映画を思い出すんだろうかね。この映画を観ながら、心が慰められるのだろうか?ただただ無言でしんみりしてしまいそうだ。

選択の結果が破滅(=死)であった場合、抗うことはできず、諦めるしかない。とんでもない映画ですよねホント。それをこんな豪華キャストでとんでもない大金をかけて製作し、世界で公開し、予想通り大して売れず酷評の嵐だったという、、、、奇跡のような映画なんです。是非観てみてね。

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