オーバーシルエット

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最近は週2回は渋谷を通るので、とにかく「ワカモノ」という存在をよく目にするのだが、嫌でも「カルチャー」だの「トレンド」だのについて考えさせられることになる。いや、別に考えなくたっていいはずなんだが、渋谷という街はとにかくそういうことを考えたくなるような刺激の多い場所だ(別に良い意味ではない)。

俺は最近は結婚していて子供を産んでいる女にしか全然興味が無いのだが、これは自分の年齢を想えば、まあ健全なことだろうと思う。村上春樹的な性的マジョリティ―といいますか、言うなれば順調に普通のオッサン化したという話に過ぎないですが、こと渋谷という街にはオッサンやオバサンは少ないですよね。その年代の人たちはもちろんちょいちょいといると思うが、皆服装というか格好が若いと言いますか。パッと見ただけじゃ年齢がわからなかったりとか。つうか若い人が多いです。大学生とか。女子高生な。それも女の子が。男の子はいたとしても大抵女連れ。男は女の子に同伴を許された勝者のみ。女が多いです。(街ってそういうもんだと思うが)


渋谷で何をしているのか、という話になると、これはほぼ仕事帰りに飯を食って酒を飲んでいる、ということになります。それ以外のことをするとすればお馴染みの壁登り遊戯であります。渋谷に唯一存在しているクライミングジムは「ノボロック渋谷」というのですけれども、これがまた客層が独特である。いや、独特は言い過ぎだと思うが、とにかく大学生が絶対多数を占める世界だ。大学生ではないにしてもその年代の人たちである。つまりど真ん中「ワカモノ」である。
(普通のクライミングジムはランニングシャツにハーパン姿のムキムキツヨツヨのオッサン達が汗だく血塗れで壁を登っている、さしずめ地下闘技場状態だが、ノボロックにそのような野暮ったさはなく、例外的に女子が多いジムである。利用料金やキャンペーンであからさまに女性を優遇してそうなったようだ。そうなると若い娘目当ての男たちも群がるようになる。皮肉抜きで言うがこれは上手い戦略だと思う。)

まあ、おれはそんな場所にこんな歳なのによく一人で突撃していますけれども、「ワカモノ」の特徴が何かあるとすれば、その一つに「一人では人がたくさんいる場所に行か(け)ない」というものがあると思います。みんなお友達を数人、時には4人も5人も伴って、キャーキャー楽しそうに登っている。俺はその眼前で2,3個ホールドぶっ飛ばしてサイファーやダブルダイノを決めたりして「屁でもねえぜ」みたいな顔してカッコつけるのが好きである。「すごい。。。。」とか言ってくれるから気持が良い(笑)。

まあそれはおなじみの嘘ですが、客層が若いと俺もなんだか新鮮ですね。いつもオッサンかちびっこばかりだからさ。ちょっと前まで、俺も「ワカモノ」だったころは、同年代の他の「ワカモノ」が沢山いる場所に一人でいると得も言われぬ孤独感や劣等感、自己嫌悪に厭世的な感情をミックスしたものがドドド~~~っと押し寄せてきていたものだ。今はそういうのをひとかけらも感じないので生きやすくなったなあと思っています。歳をとるメリットが何かあるとすればこれでしょうな。
「良いことは大抵のことは気にならなくなる。最悪なのは昔をよく覚えていることだ」
ストレートストーリー David Lynch

とはいえ、なぜ渋谷でわざわざ登るのかというと「ワカモノ」が多いから楽しい、ではない。全く。(またいきなりお得意のちゃぶ台返しである)ビギナーの女の子がとても多いジムゆえに課題の難易度が著しく甘く、特に指を痛めるようないわゆるクラシックな「岩的課題」がほとんど皆無のため、体をあまり追い込みたくない、指を休ませたいというときにとても良い課題がそろっているからである。まあとはいえ、広いしたくさん課題があるので、一度行けば2,3時間は楽しめる。値段も貧乏な「ワカモノ」を対象にしているためかワンランク他所より安い。そして仕事帰りに軽く寄れる。ただそれだけ。「ワカモノ」が目当てなわけではない。(つうかそれ目当てだったら変態である)

そうやって壁を登ったら、なじみの店に顔を出して食事しながらビールでも飲むのだが、なじみと言っても俺は店員と仲良くなるのとか苦手なので一人でむっつりと黙りこくってスマホ見ながら座っているだけなのだが。

飯が旨いかとかは二の次で、空間として居心地が良いか否かがカギとなっている。そういう店を俺のような人間が渋谷で見つけるのはけっこう難しいとは思うのだが、ところがどっこい(死)、そういうのを探すのがまた楽しかったりだとか、見つかった時嬉しいなだとか。(ちょっとお高めシティホテルの中にあるレストランとかカフェが穴場だったりする。そういう場所に人はあまり来ない)

似たような雰囲気でいて、また少し違うのが新宿という街であるが、その中でも新大久保は渋谷の雰囲気に似ている。もっと猥雑で、もう少し暴力のにおいがして、もっともっと韓国なんでまた違う街なのは確かだが。「ワカモノ」が多いという意味では渋谷と並ぶであろう。実は俺の仕事場の一つが新大久保の近くにあるので、嫌でもこの辺にも詳しくなってきた。そしてますます「ワカモノ」を見ては、彼らをつぶさに観察し、最近の世の中の色みたいなものを肌で感じているのだ。

そして家に帰ると、俺はインスタグラムもやってるので、結構な頻度でいいねが来てないかとか確認している普通のひとやまいくらの哀れな現代人なんだけれども、そこでも「ワカモノ」が壁登っている動画をよく観ていたりもする。そんなわけで俺はけっこう「ワカモノ」に詳しいと思う(笑)。でも友達は一人もいない(真顔)。

俺自身もファッションとか見た目にはけっこうこだわったり金をかけたりもするんだが、もとより「トレンド」というものは参考にする程度である。全く無頓着ではなく、知ってはいるのだが、俺が好きなものは常に「20世紀前半的な何か」であるから、ファッションもクラシックなジャケパンだったりとか、年齢を想えばそれが鉄板なのである。ただ、足首出したりだとか、髪型は七三分けツーブロックだったりだとか、白シャツ着てテーパーだのスキニーだの履いとけってのは何となく取り入れていた。これらもまあ、今の「トレンド」だろうと思う。

そんなわけで、なんとなく知ってはいた「トレンド」だが、いまいち乗れていなかったもんがここ数年やけに流行っている「ビッグシルエット」である。「オーバーサイズ」ともいうし「オーバーシルエット」とも言うし、全部同じものだ。要するにデカいサイズである。ブカブカの服をわざと着るのだ。

これが男も女もみなこのオーバーシルエットにこだわって服を買っている。もっと言うなら名だたるアパレルブランドもデカいサイズの服ばかり売っている。これはなんなんだろうな、と意識に浮かぶことさえなく見過ごしていたのだが、最近「ワカモノ」ばかりやたら目にするので嫌でも気になってきたのだ。なんなんだこのトレンドは。なぜわざわざブカブカの服を着るのだ?

俺が大学生の時も「ウラハラ系」だの「ストリート系」なんて言葉があったりしてだな。要するにバスケやってるフードかぶったヤクの売人の黒人みたいな格好が流行っていたのである。これもブカブカのパンツにブカブカのパーカーだ。本当、アレによく似ていると言えるが、不思議ともっと違う何かだな、とも思える。アレはなんだか悪っぽいというか、チンピラっぽさというか、犯罪の匂いがする服装だったから、男の子は悪そうなのに憧れる生き物なので不思議ではなかった。しかし、この「ビッグシルエット」は不思議なトレンドである。

具体的に申し訳ないけど、写真を載せさせてもらうと、こんな感じである。↓

どうだろう。何かが変ではないだろうか(震え声)。なんとも不思議なファッションである。

このブログの読者はほぼ50代前後の軍事・アニメオタクのオッサンばかりであるというのがワタクシなりのマーケティングであるため、あえてはっきり言うが、これは我々にとってかなり違和感のある服装である。俺が母ちゃんだったらどうしたの?って聞く。絶対。ほんとに、おかしい。なぜ、いったいなぜ?と真顔で考え込んでしまう。

と言いつつ、食わず嫌いも良くないので俺もビッグシルエットの服を何着か買って着てみた。

…うん。似合わない。絶望的だ。
悪夢と言って良いレベルである。
ぶかぶかのパジャマを着た子供みたい。で、顔はオッさんなんでほぼホラーだ。ヤバいです。

一番気に入らないのは太って見えることだ。控えめに言うと休日の柔道家、悪く言えば猫型ロボットみたいである。足も短く見える。顔はデカく見える。(まあ顔はデカいんだが…)

少し前までトップスはぶかぶか服で、ボトムスはスキニーで、というのがトレンドだったと思うのだが(これならまだ見れるんだよ。ダサいけどな)、最近は何をどう間違えたのか、上も下もぶかぶか服で統一するのがトレンドになってしまったようである。誠に残念。どんな人間でもガキの頃のマコーレ・カルキン。「ホームアローン」である。

まだ俺はこんな有様でも人間としてのプライドは残されていたようで、ビッグシルエットで人様の眼前に立つ勇気はない。

元よりこれは10代前半?〜20代前半までというトレンドではないかと思われる。オッさんがヤキモキしながら悩む必要は皆無だ。オッさんは普通にジャケット着てれば良いのかなと思う。

とはいえ、これはどう考えても、文化の違い育ちの違い国籍の違い民族性の違いを全てさっ引いてもクソダサい服装だが、なぜここまでヤバいのが流行ってしまったのか、とおなじみの哲学をしてみたい。まさか着てる当人もこれが格好良いとは夢にも思っておるまい。日本の未来を背負って立つ未来有望な若者達が、そこまでアホだとは考えにくい。

仮説① 服は通販で買うものになったから

服は通販で買うことが多くなった。これは誰もが同じであろう。誰だってスカしたアパレル店員に頼みもしないのに新商品を紹介されたくはない(初めて来た店なのに新商品紹介されてもどうしたらいいの?)。となると、サイズの問題がある。サイズ感、着た感じがわからないまま服を買うことがある。その際、ビッグシルエットで良いのだと言うことになればあれこれ悩む必要はなくなる。試着の必要もない。明らかにでかいのだとわかっていればすぐにポチれてしまう。

この現象を逆手に取ったアパレル業界を牽引する何者かがこのトレンドを意図して作った…そう推測するのは考えすぎか?

仮説② 元々日本人にはビッグシルエットが似合う

敢えて好意的な理由を挙げるとすればこれだ。日本人はもともと着物を着る文化があったわけだから、頭でっかち胴長短足の日本人にゆるゆるとした服はむしろ望むところ。あまりにぶかぶかの服で上も下も統一されるとなんとなく着物を連想されるので、違和感が消えるのかもしれない…と言いつつ上の画像を改めて見直すと…
うーん。。やっぱり変。おかしい。
でも女に限れば少し着物を連想させて可愛いような、品があるような気もしてくる。男はひとかけらも擁護できないが。

仮説③ 昨今のLGBTブームの影響

男も女もないよ、中性的なのがいいんだよ、との最近の新しい価値観を考えるとここまで体型を完璧にカモフラできるわけなんで、有効かもしれないですね。上の画像を見直しても喧嘩とか全くしたこともなさそうな牙の抜けた感じの美少年?ばかり。男らしさのカケラもない(化粧してるやついないか?キモ、、)。男らしさとかはもはや忌み嫌われるファクターなのだ。でも女にモテたいなら男らしくオラオラしてたほうがモテてしまうという現実はどうにも揺るがないのですが。ビッグマウスのクソフェミが世の中の多数派かというと全くそんなことはなく、この世は所詮、自民党程度のつまらん中道が常勝無敗なんだよね。その現実を忘れてはならない。

髪型も判を押したようなキノコ頭(マッシュ)が激増しており、これも男らしさを排除するのに貢献しているし、化粧したりピアスしたりもしてるから、意図してホモっぽさを演出し、アピールさえしているのかもしれない。俺には理解できない世界だが、そういうことしてたほうが最近はセックスしやすいわけなの? 清潔感があるとかそういうこと?(で、中身はオラオラしてるとギャップがあってパンツの中が大洪水になっちゃうの?女は気の毒だな。。)

この子たちも女受けが良いから我慢してやっているのであろうというのは確かそうであるが。もし若者がこのブログにいるならご意見ください。

仮説④ 体型を隠せるから

デブでも痩せでもビッグシルエット着とけは相対化されるといえる。筋肉が少ないか多いかも全然わからなくなる。女の子にとっては歓迎したい要素だろう。実はだいたいポッコリ出ている下腹と、デカすぎる弛んだケツ、短く太い足を隠すのに意識を向ける必要はなくなるからだ。

また、背が低い男子も、背が高い男子も、ビッグシルエット着とけばみんな短足でダサくなるので相対化されてしまう。みんなで一緒に貧乏になろう!
社会主義革命にそっくり。みんな似たような格好で似たような思想。実に農耕民族らしいといえる。


5つ目を挙げようとして、なんだか虚しくなってきたのでやめる。

ビッグシルエットは奇妙な「トレンド」だが、なぜ流行したのか?という視点で世の中を分解して行くと色々見えてくるものがあった。

通販アパレル業界の悪だくみ説、ホモ好きの女ウケを狙っている説、だらしなく貧弱な体型を隠している説、いずれも信ぴょう性が高いというか、書いていて納得できた。不気味なのはそのような世の中の「隠された事情」に気が付くことができず、踊らされ、金を収奪されている若者たち、そして彼らを救済しようという動きが全く感じられず、もうむしり取るだけ取ってやれ、こいつら頭悪いし。という邪悪な何者かの意志が感じられることだ。それは若者を囲って金儲けしようという、悪い資本家なのかもしれないし、流行作ってご満悦の調子こいたインフルエンサーかもしれない。弱くて馬鹿なやつを囲って資源をむしり取るのは、我が皇国日本のありふれた現実である。NHKなんて渋沢栄一なんてカスみたいなジジイを今更個人崇拝しようとしている。末期的である(こんな連中に俺は生涯金は払わない)。

社会のあらゆるムーブメント、流行の裏には、ひっそりと権力者の意志が隠されていることが多い。このことを我々は「ワカモノ」達のおかしな服装の流行から学ぶことができる。

最後に一つ。ビッグシルエットとは対照的に、やたら脱いでご自慢の見かけだけの筋肉を晒そうとするキモい男たち・・・インスタでやけに目につくようになった。ゲイのモデルにしか見えず、この手の連中は公衆衛生上のリスクといえる。体型を隠しがちな現代のワカモノに対するアンチテーゼなのか、今度時間があるときにはやたら筋肉見せようとする気色の悪いオッサンがなぜそうなったのかを語って参りたい。次回に続く(笑)。

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