ナイチンゲール【映画評】

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2018年のオーストラリア映画。白色人種の恐るべき残虐性・暴力性を告発する映画であるとともに、女や子供という、社会の中で男によって暴力で抑圧される者たちを共に犠牲者として描いた映画だ。心意気や良しだが残念ながら欠点の多い映画で、この志を後続が継いでくれることを祈っている。

ストーリーはおもっくそ不条理で、言葉もないほど重くて暗い。しかしやりすぎればいいというもんじゃない。やりすぎて現実味がないんだよね。ここまで来ると「あ、作り話っぽい」って呟いちゃう←作り話なのは当然なんだが

そんな訳なんで、ストーリーを説明してもつまんないと思うんで割愛。この時代(19世紀後半?)のタスマニア島先住民であるタスマニアンアボリジニに対する白色人種の恐るべきホロコーストについて触れねばならないだろう。

チョー簡単に説明すると、イギリス軍が1820年にタスマニア島で民族浄化作戦をはじめ、1876年にはタスマニアンアボリジニの最後の一人が死亡し、絶滅させられてしまったのだ。たったの50年余りの間にである。

この筆舌に尽くしがたい史実を前にすれば、白人が作り上げた文明の下で栄華を誇り、白人が自分らに都合の良い価値観を5分ぐらいでまとめた概念「グローバリゼーション」を崇め奉るのは犯罪的無知だとわかる。むしろ先進的で頭が良いと周囲に思われたいとの自己顕示欲が根底にあるのであろうが全くの真逆。おバカさんである。自ら白人と進んで混血するなど、まさにこの惑星の全ての知的生命体に対する裏切り行為である。白色人種がこの惑星に持ち込んだ最も有害なものは「暴力」であり、気に入らない奴らを問答無用に皆殺しにすることであり、人類の暮らしの在り方や文明の進歩の方向性まで変えてしまったことである暴力は暴力でしか対抗できないからである。暴力を征服の手段として用いるだけでなく、人種という価値感を持ち込み人間にラインを引き、優劣を決め、排除と絶滅を正当化した白色人種は、その他の有色人種にまで暴力と絶滅が全てを解決することを覚えさせた。「人種」はお互いに兵器開発競争を延々続け、6500万人も死んだ世界大戦を終えるころには核兵器まで作り上げることとなった。そして今や母なる地球を数百回殲滅できるほどの核兵器が散在し、もはや人類にもどうにもできないぐらいまでになってしまったのだ。愚かである。ここまで愚かな結末を歴史に刻んだ白色人種が優秀だなんてそんなわきゃない。

白色人種はこの惑星の悪のマスターピースであり、邪悪な存在なのだ。DNAの隅々にまで血と破壊と征服への欲求が染み込んでいるのだ。奴らこそ悪魔である。言い過ぎだって?そう思う人はたぶん、皆殺しにされたタスマニアンアボリジニを同じ人間とはみなさず劣った存在だと認めているんだろうな。殺されても仕方がないのだと。弱くて馬鹿だから征服されたのだと。暴力と人種差別を信仰するわけだね。白色人種と同様に。そんな連中にかける言葉などこっちだってもうないよ。二度とここにくんな。

まーとはいえ、ここまで日常生活でぼろくそはっきり言ってしまうと、多分周囲には一人も人がいなくなるだろう。だから皆さんは黙って洋服着てハリウッド映画観ながらコーラをがぶ飲みしてくださいね~。この世は胸がムカつくが白人が支配しており、白人の文化を否定して着物着て山で自給自足の生活をしていると精神病扱いで社会から排除されてしまうわけですから。ムカつきながらも適当にうまくやってください。おーいえー

そんなわけですが、この映画がはらむ矛盾としてもう一つ言いたいのは、こういう映画を白色人種が自分で作るのがまたムカつくんだよな。ここまでやらかしておいて過去を反省でもしてるフリして、「自分は物分かりのいい頭のいい白人なの♡」と上に立とうとしているのが見え見えで胸がムカつく。こういうのはスピルバーグみてえに迫害された側が作ってやっとイーブンである。白色人種が自分で作るからには、本当の怨念は込められておらず「理知的に見られたいアタシ」という製作者の思念がずっと劇中で漂いまくっており、なんかちょっとノれないのだ。本当の怨念が観たいんだよこっちは!本当の怨念が!綺麗ごとだけで済むかアホ!といきなり立ち上がってヤジでも飛ばしたい気分だったが通報されるのもイヤなのでやめておいた。

その点、この映画は暴虐な白人将校に暴力で支配され、何度もレイプされる人妻が主人公なのだが、この女側からの男への怨嗟は確かに本物である笑。こっちはモノホンなのでぜひ見てもらいたい。ただ、この監督は多分本当にレイプされた経験はないのかな、と想像する。暴力的な男たちへの怨念や嫌悪感、侮蔑の感情はすごく伝わってきたのだが、どこか作り物っぽくて安っぽい感じがした。特に仲間内で集団レイプするシーンなどは、レイプリベンジモノの安物ホラーでもよく見られる演出だが、「ふつうは仲間が見てる前では勃起しないだろう」という男の現実が無視されており、特にヤろうとしてフニャチンでできませんでしたってことになろうものなら、悪党たちのヒエラルキーの中では相当低いカーストに追いやられてしまうだろう。だから敢えてそんな危険な真似は試みないと思われる。集団レイプするにしてもちょっと人の見えないところに連れていくとか、個室でカギをかけるとか、男だったらそういうことをするはずだ。←ゲス その点でリアリティが不足しており、男という汚い生き物に対する取材が不足しているといえる。んで、ブスッとナイフで刺すみたいにアレを挿入するんですけど、5コキぐらいでイっちゃいますからね。これも仲間の前だと馬鹿にされますし笑われますよ。俺がこの極悪将校の部下だったらプーっと笑ってしまうと思いますし、「なに笑ってんだテメー」と怒られても「いえいえ中尉殿の速射砲があまりに疾風怒濤で弾着観測が間に合いませんで…」と皮肉を言ってしまうと思います。だからこんな表現はちょっとおかしいというか男をわかってねー女流作家ならではの表現でリアリティがないっすね。

まーそんなのはいいんすけど、迫害されるのがアボリジニであれ、弱い子供や女であれ、加害者はイギリス人であり、イギリス軍人に対する嫌悪感だけはすっごくたくさん伝わってきましたね。主人公女性はアイルランド人で「イギリス人は大っ嫌い!!」とすっごく↑で俺が書いてるようなストレートな表現で絶叫するんでそこは清々しかったな。イギリス人はこれぐらい言われて当然なことをしているんですよ。これがヘイトとかそんなわけねーじゃんよ(真顔)。

ストーリー展開は実に退屈で、俺が監督だったら脚本家は強制収容所行だね。で、自分で書く絶対。長すぎるし眠い。主人公は実に女らしく優柔不断でメンタル弱くて、復讐の決意も二転三転して何がしたいのやらさっぱり。結局アボリジニの男に頼りまくりで主人公としてのお株は完全に奪われてしまって終わり(このアボリジニは確かにカッコ良いのだ)。そういう話だってんなら仕方ないけど、この終わり方ならジェンダー思想を入れなくても良かったし、純粋にアボリジニへのひどい迫害を描く場面を増やした方が説得力が増したと思う。そんなわけで色々モヤっとしたが、なぜか高く評価されているようなので気になる人は観てみてください。

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