こだわるべき道具 軍用腕時計編

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ワタクシは機械式時計が大変に好きなのだが、特に軍用時計に目がない。そもそも腕時計の起源は例によって世界大戦である。

それまで腕時計は婦人がオシャレに使う道具で男は懐中時計を使うのが普通だったのだが、作戦の緻密化、過酷な塹壕戦、陸海空にまたがる多彩な戦場において正確に時間を読み取るためには懐中時計では荷が重くなり、腕に巻き付けて使用する腕時計の実用性が認められてゆく。


軍用時計の世界、などと言いつつその世界は果てしなく深い。今でも軍人にとって腕時計は必須アイテムであり、そもそも社会人にとっても必須アイテムである。時間にルーズな人間は社会人失格だし、TPOをわきまえずに取引先でスマホで時間を確認するような人間は信用されない。厳しいが日本ほどマナーだの因習だのが幅を利かす社会はないわけで、社会人が時間を確認するのに腕時計ほど実用性の高いアイテムはない。だいたい車の運転中は腕時計が大変実用的だ。スマホを見るわけにはいかない。

腕時計の機能性やライフスタイルとの整合性にこだわるのは武士の嗜みのようなもの。男はこだわって当然のアイテムである。

実用性、機能性というものを考えたときに、軍用時計、ミリタリー時計は文句なしの実用性を誇る。軍用時計はとにかく視認性が良い。あらゆる環境で一瞬で正確に時間を読み取るために、様々なテストや兵士たちの経験を取り込んで、無駄のない形に構築されているからである。

ただ、世界にはあまりにもたくさんの軍用時計や、軍用時計をルーツに持つ腕時計で溢れている。あまりに多すぎる、、
一体、何が、どれが、最良の軍用時計なのだろうか……?
かれこれ4年ぐらい悩み続けている。ただ頑丈であれば良いということはない。性能が良ければいいという話でもないのだ。そう考えると「G−SHOCK最強www」という夢もロマンもへったくれもない結論に落ち着き、この話は強制終了されてしまい、再起動の必要性さえないのだ(笑)。

ここで一旦冷静になって考えるに、俺は別に軍人じゃないし、戦争に行くあてもない。もちろん、きたる北朝鮮や中国との戦争においては、おれも後方で捕虜を銃殺する仕事をウィスキー片手にがんばるであろうとは思うが、前線に行くことは多分ないだろう。普通にサラリーマンとして年老いて行くに違いない。それはそれで1円でも金を多く稼ぐという競争を死ぬまで強いられる実験ハムちゃんみたいなもんでけっこう過酷な人生である。。。。その相棒の腕時計ぐらい最高のものを常に左手首に巻きつけておきたい。。一体何が良いのか?

日本の国でアーバンライフをやり過ごすために、良き社会人として振る舞うために、仕事の質を上げるために、そもそも時間を正確に知るために、一体どのような腕時計が良いというのか?ワタクシ的に必須な機能は以下の10個である。(前置きなげーよ)

①頑丈さ
頑丈であることは全ての基本。どんなに高性能でもすぐ壊れてちゃ話にならない。もしも壊れてもすぐに修理できることが重要。ちょっと調子悪いだけなのに修理に出したら何ヶ月もかかって何万円も取られるんじゃ話にならない。とりあえずトラブルが少ないことが重要だ。衝撃に強く、磁気に強く、水に強く、少しでも長く正確に時を刻むこと

②デザイン
ビジネスでも使い、スポーツでも使い、お姉ちゃんの前でカッコつけるのにも使えるデザインとなると、これはそんなに数は多くない。。。男らしくスポーティな時計はビジネスの場では下品だし、あまりにカチコチなデザインだと女の前でカッコつけられない。無難だけどどこか個性的。上品だけどどこかワイルド。そんなデザインが求められている(笑)。

③正確さ
機械式時計はクォーツ(電池)式には正確さにおいて大敗を喫する。実は全然正確ではない。毎日数秒ずつずれる。しかし、そんな中でもなるべく正確に、ずれが少なく信頼できる。時間のずれが生じても即座に修正できる扱いやすさなどが求められる。

④秒針
スイス時計には秒針がない時計も多い。秒針がないほうがシンプルで壊れにくいそうである。おれの場合仕事上、秒針が必須である。秒針がないと色々不便だ。脈を測るのにも難儀する。というわけで秒針は必要。

⑤視認性
運転中でもパッと見て、即座に「まだ時間あるな」「あ、もう時間ねえ」などとすぐに感じられるかどうかは最重要事項だ。デザインがごてごてし過ぎると見辛くて仕方ない。小さ過ぎるとよく見えない。でかければ夜光もかなりど迫力で、明け方目が覚めても暗闇の中で「うん、まだ3時だしあと3時間は寝れる!」と電気をつけることもなくまたすぐ寝れる(そう、おれはベッドの中でも腕時計を巻いている)。ケースサイズが大きいことが必要だ。

⑥日付機能
ビジネスの場では今日が何日か、というのを瞬時に想起できなくてはならない。これを間違えたり、「えーっと今日何日でしたっけ?」などとカレンダーを探したりなどは許されない。というかスマートではない。スマホを取り出して日付を確認するなど論外。鈍重な印象を相手に与えてしまうだろう。さっと腕時計を見るだけで日付がわかる。これは想像以上に便利。「日付ぐらい覚えてられねえのかよww」とぬかす奴は確実に童貞。必死に仕事してたりテンパると何故か日付をど忘れする現象は、社会人ならば誰しもが経験する。忘れるだけならいいが、間違えた日付で重要書類を作ってしまったりすると目も当てられない。経験則に基づき、日付機能はいる。絶対いる(断言)。

⑦自動巻
いちいち巻いてられないんだよ、、、朝は忙しいのよ。。。巻くのって最初は楽しいけど、けっこう毎日となると面倒なのね。趣味の週末時計なら巻くのも可愛いな、、と思えるけど毎日ガツガツ使う仕事時計はそんな毎日巻いてらんないのよ。

⑧資産性
日本の国で本当に追い詰められた時、頼りになるのは結局金である。国も家族もやばい時には更に自分を追い込んでくるだけ。金以外は特に頼りにならない。金は自分を守ってくれる。最強のセキュリティ装置である。ボロボロに使い古してるのに高く売れる。資産性も現代日本で求められる立派な機能である。いざとなったらちょっとでも高く売れる時計が必要だ。

⑨歴史
軍用時計というなら実戦で使っていたという実績が必要だ。いや、『歴史』と呼ぶべきだろう。いかに見た目だけ軍用時計としての体裁を取り繕っていたとしても、そこにロマンがなければ人を惹きつけることはできない。実際に軍で使われていた、実績がある、歴史があることが求められている(真顔)。

⑩革ストラップ
おれの仕事は医療だ。患者を触る時には腕時計を外すのがマナー。外してる間はポケットに入れなければならない。となるとステンレスのベルトは大変に非実用的。重いしあっちゃこっちゃにぶつかって傷が付く。というわけで革ベルトであることが必須。ポケットに入れるからには軽いほうが良い。落とすこともありうるので丈夫でなければならない。視認性を考えると大きくなければならない。となるとチタンが良い。革ベルトでチタン製だ。革ベルトは自然と消耗するのでベルト交換を自分で簡単にできるとなお良い。そんなもんあるのか。。。

どうだろう。こんな10個もあげちゃって、そんなもん全部満たす時計なんかあるかアホー!と叫びたいとの懸念はわかる。しかし待って欲しい。あったのだ。おれも諦めていた。これらを全部満たす時計が、、、我が理想の一本が、、、あるわきゃないと思っていたのに、、、

PANERAI ルミノールマリーナ PAM00351

あ。あった。

これ、上の10個全部満たしてるんすよ。すげーな、、、本当にあるとは思わなかったよ、、、おれもネタで言ってたのに、、、

PANERAIは第二次大戦中にイタリア海軍の特殊潜水部隊のために特別に作られ、なおかつ実戦で使用された。イタリアのフロッグメンはちゃちな人間魚雷でちまちまと泳いで何重にも鉄壁にガードされたイギリス戦艦に近づき、船底に爆雷を仕掛けて撃沈するという嘘のような歴史を残している。これは映画化もされている。

ロマンである。。。すごい。。日本の人間魚雷と違って生存率も高く、1941年のアレキサンドリア港攻撃で英戦艦を撃沈したイタリア特殊部隊員は捕虜になったが普通に生還したし、ムッソリーニ失脚後は連合軍側で潜水部隊の育成と指導に携わった。日本は何故このイタリア魂を真似しなかったのだろうか(…とでも言いたくなる)。。

というわけで、①頑丈さはクリアだ。実戦で使われていた時計が脆いわけがないでしょ(と思い込むことにする)

②は実にフェティッシュでへんちくりんながら、何故かエレガントなデザインが全てを物語る。女受けがやたらといい上にビジネスでも嫌味ではない。幸い僕はスーツ着ない仕事なんでデカ厚すぎてカフスにおさまらないという問題も問題とならない。もともと潜水部隊の時計、つまりダイバーズウォッチなので水にも強く日本の梅雨も怖くない。というかスポーツの場で半袖シャツにつけててもおかしくない。実に普遍的ながらアピールするデザイン。というわけで解決だ。

③正確である。ちっとも狂わないしトラブルもない。なので問題なし。

④秒針もあるので問題なし。

⑤視認性はとにかくデカいんで最高にいい。もともと真っ暗な海の中で作業してても瞬時に時間がわかるように設計された時計。普通に暗かろうが明るかろうが見やすい。問題なし。つうか夜光の明るさは感涙モノである。所有しないとわからないだろうな。。←自慢

⑥日付機能は見ての通り。普通に正確なんで問題なし。

⑦PANERAIは伝統的に手巻き時計が多いんだが、これは自動巻。しかもほっておいても3日は動くんで、毎日つけていたら巻き直す必要は皆無。かなり効率よく巻かれる。前使ってたドイツ軍用時計は自動巻のくせに手巻きしなきゃ遅れたりしてたし、土日を挟むと普通に止まっていた。それに比べりゃ高性能。月曜の朝に時間や日付直しをする必要がないのはすごく嬉しい。

⑧資産製、、、もちろんスポロレには大敗を喫する、、、前に60万ぐらいで買ったミルガウスだが、今は65万ぐらいで売れるという(大黒屋店員談)。反則やろ、、、というぐらいの資産製で、確かにスポロレには負ける、、、しかしスポロレに次いで資産製が良いと言われるのがPANERAIだ、、、いくらで売れるのかよくわからないのだが、これ自体格安の中古品なんであまり贅沢は言えない、、、よほどヤバくならない限り売らないが、たぶん30万にはなるかな、、?(願望)

⑨歴史は上記の通り。言うことなしだ。変に血生臭くなく、爽やかなのも好感が持てる。

⑩これが一番の特徴だと思う。ダイバーズウォッチは普通ラバーベルトかステンレスベルトだ。でもPANERAIは革ストラップにこだわる。実際に潜水部隊員が使っていた時も革ストラップでダイビングしていたそうである。革が水に弱いのは常識。。。ましてや海水、、、大丈夫なのか、、、と思ったがPANERAIの革はしっかりケアすれば水にも強いそうである。試す勇気はないが、実際にそうやって使われていたそうなのでたぶん大丈夫なのだろう、、、というか革ストラップは水につけなくても一年使えばかなりボロボロになるんで、消耗品という考え方だったのかもしれない、、、その点、この時計は付属の専用工具を使えば自分で簡単にベルト交換ができる。二千円のストラップで十分いけていると思う。将来売るつもりならベルトは安いやつに変えたほうがいいだろう。おれもそうしている。

いやはや、、、長い、、、よくこれだけ語りますな、、、オタクだなおれも。今正月で暇だからですよ。それにしても本当に俺のわがままを10個も完璧に満たしているのには驚かされます。長年こういう時計が欲しかったんだ、、、資産製を考えると、丈夫で正確なロレックスかな、、、と思っていたのだが、エクスプローラーには日付がないし、サブマリーナは悪目立ちするしで、いまいち踏み込めなかった、、、ミルガウスを持っているがステンレスベルトで日付機能がないし完全に週末時計である。

PANERAIの351番は完璧である。チタン製なんでデカい割りに軽いし傷がつきにくいしな。もともと潜水服の上から着けるようにデザインされているせいか、やけにヒートテックと相性が良いのもニヤニヤ要素だ。ええな、これ。

唯一心配なのはその資産製だが、売るその日までわからない話なのでこの際忘れよう、、、

というわけで、もう2ヶ月も給料もらってないのにPANERAIの腕時計を買ってしまった話でございました、、アホは貧乏って間違い無いですよ本当に。だが、後悔はない。 つうか実はもう一本PANERAI買ったのでいつかレビュー(自慢)したい(笑)。明日が見えねえ、、、、

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