・・・を観た。ヒューマントラストシネマ渋谷というミニシアターで。というか「全員死刑」が目当てだったんだが、続けてゴジラをやるというからついでに観たのだが、ゴジラは個人的にはまったく受け入れられなかったので途中退席。ゴジラが出てきたのは数秒だった。あとは意味不明な説明台詞を延々聞かされて・・・というかおれももうこういうのは聞かずにスマホをいじることにしているので、映画を観たというよりはただ劇場で暗い中でダラダラしていただけ。気が済んだら出てきた。もう無理してチャレンジ精神を発揮させるのはやめる。時間も金ももったいない。
キャラデザも最低。何十年も宇宙船で彷徨ってたくせに、ヘアカタログでよく見るようなシャギーかかった無造作ヘアのなまっちろいイケメンのバトロワⅡ型主人公が、面倒クセえメンヘラ女みたくギャーコラと喚いてばかりいる。どこに魅力があるのかね・・? 頑張ってる風のイケメンが壁にぶち当たって泣き喚くというのがこの国の理想のヒーロー像なわけかよ。ンな話がある訳ねえだろう。現実は真逆だろうに。男は愚痴ひとつ言っちゃいけねえんだよこの国わ。ゴジラというタイトルなのにこれっぱかしもゴジラが出てこない。まったく話にならない。
と、いつものように日本映画を小ばかにするのは簡単だが、「全員死刑」はそうはいかない。これも日本映画の筈だが全てにおいて日本映画のテンプレをうまいこと外しつつセンス良く仕上がっている。海外暴力映画のオマージュが日本の荒んだ田舎ヤンキーの中でうまいこと昇華されているし(「パルプフィクション」や「ノーカントリー」など)、一見ただの馬鹿ヤンキー映画のようでいて普通に映画好きにオススメできる内容。展開は「冷たい熱帯魚」そっくりだが、製作陣もおなじ?とのことなんで納得。(ちょっと似過ぎな気はするが・・・)
賛否両論だが、おれは個人的な趣味で「渇き。」はす~~ごく好きな日本映画だ。「新・仁義の墓場」なども好きである。どっちも主人公が超絶の外道で、少しばかりの「善人気取り」さえ無いところがとても良い。ピカレスクというのは悪漢を描くことを躊躇ってはならない。ちょっと人間性があるフリするだけでも鼻白むもんだ。とことん悪に徹して観客を不快にさせなければならない。特に必要なのは、昨今のTwitter的リベラルお利口さんごっこを絶対やらないこと。ポリコレとかクソだし、女は容赦なく殴ってレ×プするべきだし、シャブはやるべきだし、しょ~もない理由ですぐに人を殺すべきである(しかも楽しそうにやるべきだし拷問にもかけるべき)。男はどんなに聖人ぶったところでこれが本性なのだ。でなければ第二次世界大戦だけで6500万人も人は死なないし、共産主義者も1億7000万人も人を殺さない。
・・・と思うわけであるが、その点この映画は若干純愛要素や青春要素があるため、爽やかなテイストである。ブラックな笑いも多く取り入れられているし、全体に軽めな描写が多く、外道ばかり登場するが少し漫画的だと感じるところもあった。とはいえ、北九州のド田舎で育った僕りんから見ても、このヤンキーの描写は迫真だと思う。こういう人がその辺をごろごろしてて、普通に道を歩いてたりしたし、出くわすとからまれて意味もなくどつかれたり、良くていじられて笑われて馬鹿呼ばわりされたり、悪ければおかしなところに連れて行かれて会ったこともない奴と喧嘩させられたりしたもんだ。奴らは弱い者いじめが大好きのクズばかりである。それが本当のところだ。
まあ、この映画はそんなリアルヤンキーが主人公なんだが、とてもカッコいいように見えるから不思議だ。「渇き。」の役所広司もクソ男なんだがなぜかカッコいい。羊のように大人しいと信じられている日本男子の獰猛さを世界に見せつけるという意味でカンヌ辺りに出品してほしかった。
暴力映画に関しては最近は韓国映画に大きく水をあけられている感があるが、昔のタケシさんの映画とかは面白かったよな。井口昇みたいなアホらしい変態映画を撮られてもちっとも血は滾らない。こういうのをどんどん量産して欲しいと思うわけである。こういうのがもっと欲しいの! というわけで監督の作品は全部チェキりたいと思います。今日は日本の最高の映画と最低の映画を続けて観たから、なんか脳が疲れたな。。。