パネライ

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時々このブログでも語っているが、おれは機械式時計のファンである。

「コレクターです」と言えるほど持ってないので「ファン」という言い方をするのだが、おれがググるキーワードの85%は腕時計関連である。数ある機械式時計の中でも装飾がごてごてしているのは興味なくて、実用性のある、かつ歴史のあるモデルに惹かれる。

そう考えると、やっぱりロレックスは定番だ。ロレックスは買った金額のだいたい90%で売れるし、下手をすると買った値段よりも高く売れるので投資や現物資産への切り替えに興味のある成金に人気がある。

ロレックス「サブマリーナ」。30気圧防水にビジネスシーンにも耐える無難なデザイン。ロレックスの中でも最も人気のある定番のモデル。だいたい買った値段と同じ値段で売れる。

ただ、ロレックスは知名度がありすぎてヤクザや不動産業の成金がつける時計というイメージも根強く、人によっては付けていると嫌な顔をされる。若造がつけると「生意気だ」と思われるし、年輩者がつけると「ガキっぽいセンス。育ちの悪い成金かな?」と思われてしまう。

ただ、その凄まじいまでのリセールバリューは魅力だ。相場が乱高下する現代において、現物資産の重要性はみなおされている。ロレックスほど安定して高く売れるブランドはないので、その点では唯一無二の存在。「迷ったらロレックス」との定番のキャッチフレーズはあながち誤りでもない。デザインの無難さを受け入れられるなら、迷わずロレックスで問題はまず起きない。全然故障しないし時間に狂いも生じない。頑丈でどこにでもつけていける。海にも入れるし、スポーツしながらつけてても問題ないのにスーツにもマッチする。その扱いやすさは魅力だ。おれは「ミルガウスGV」を持っている。途轍もない安定感で壊れたことも狂ったこともない。女の前で金持ちのふりをするのにも良いツールで、人にもよるが、けっこう女は腕時計を見てるというのは経験則としてある。色々と便利な時計だ。

次点で最近注目しているのが「パネライ」だ。時計マニアじゃないと聞かない名前だろうが、ロレックスに次ぐステータス性とリセールバリューを誇るらしい。元々は1930年代のイタリア海軍第一特殊潜水部隊の為に独自設計されたダイバーズウォッチだ。第一特殊潜水部隊はアレキサンドリア港に停泊中のイギリス戦艦への特殊作戦で世界に名を轟かせた。アレキサンドリア港攻撃の際に使われたのが、当時イタリア海軍ご用達の軍用計測機器メーカーだったパネライの「ラジオミール」というモデルである。

1941年、第二次大戦中のアレキサンドリア港攻撃の際に使われた「ラジオミール」の復刻同型版。日付機能もなければ秒針さえない。今では定番の回転ベゼルもない。超シンプルながら100m防水。実用的かつイタリア野郎らしいシャレオツなデザイン。なんとケースサイズは47ミリもある。これは無茶苦茶でかい。潜水服の上からつけることを想定し、闇に包まれた深海で正確に時間を読み取ることのみが追及された。究極の実用時計だ。

デザインはシンプルだがイタリア野郎らしいこだわりがある。シャレオツである。

アレキサンドリア港攻撃ではイタリア海軍の特殊部隊によってイギリス戦艦「ヴァリアント」と「クイーン・エリザベス」の二隻が大破着底し、当時連合軍側に優勢だった制海権は大きく枢軸側に傾き、アフリカ戦線への安定した補給を可能とした。この辺の歴史も胸躍る要素。このブログの読者ならきっとわかっていただけるだろう。


イタリア海軍特殊潜水部隊。人間魚雷でイギリス戦艦を二隻も大破させた。

大戦中のパネライは当時防水時計として抜きんでていたロレックスからその防水に関する技術援助を受け、中の機械は当初ロレックス社製の手巻きムーブメントを使っていた。この辺の歴史も価値を上げる要素となっている。ロレックスの別注モデルともいえる訳。

ローマ数字とアラビア数字とバーインデックスが混在する独特のデザインは「カリフォルニアダイアル」と呼ばれる。この頃のパネライは中の機械もロレックス社製の手巻きムーブメントを使用しており、ロレックスの影響が色濃かったといえる。このモデルは1936年にイタリア海軍特殊潜水部隊の為に試作されたプロトタイプだ。このデザインは上下を間違えないためだとか、コスト削減のためだとか、色々説がある。元々ロレックスがデザインしたダイアルだが、現行のロレックスにこのデザインは存在しない。そこもまたマニア心をくすぐる。

1950年代になると、パネライはイタリア海軍だけでなく、エジプト海軍にも時計を供与するようになる。その過程で産み落とされたのが「ルミノール」というモデルだ。元々は夜光塗料の名称だが、これを時計に埋め込むことで夜間視認制度を向上させたのがこのモデル。加えて独特の形状のリューズプロテクターが30気圧防水を可能にした。

独特の形のリューズプロテクター。一目でパネライだとわかるデザイン。秒針も加えられ、より実用性が増した。

また、こんなデザインでどうやって海に潜っていたんだろうなあ、と思わせるのが、レザーベルトだ。革が水に弱いのは常識だが、どういうわけだかパネライの防水時計はほとんどレザーストラップである。この辺もとても独特で、普通ダイバーズウォッチはステンレスなどの金属のベルトやラバーベルトを使用する。パネライの革ベルトは水にも強いらしいのだ。乾くのに時間はかかるが、海水ごときでは品質を劣化させないのだという。この辺もマニア心をくすぐると言えるだろう。実際、ダイバーズウォッチで革ベルトなんてパネライ以外にはほとんど存在しないのである。

というわけで、熱く語ってるがアンタ持ってるの?と問われれば、いや、持ってないよ、と答えるのだが、パネライは売ってもだいたい買値の80%ぐらいで売れるらしいので、ロレックスに次ぐリセールバリューだと言えるだろう。冬のボーナスで買っちゃおっかな~。

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