ウサイン・ボルト

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on Day 9 of the London 2012 Olympic Games at Olympic Stadium on August 5, 2012 in London, England.

ウサイン・ボルトのラストレースは衝撃的だった。化け物みたいに思っていたが結局は人間で、歳には勝てないし、肉体にも限界が来て挫折を味わい消えて行く。

ともすれば、産まれついての肉体的な優位性に胡坐をかいてるだけの選手に見えたものだ。身長196センチ。しかも黒人。黒人はアジア人よりも運動するのに有利な筋繊維が倍近くも多い。鼻から勝負にならないってわけだ。

こんな化け物を相手に、努力するのも虚しい。最初から諦めたほうが利口だ、とかなんとか大して興味もないから思ってたのだが、それは誤りだった。

あまりメディアで話題にならないが、ボルトは先天的な脊柱側弯症で、レースのたびにケガに悩まされていたのだそうだ。2009年に鮮烈に世界一を刻み込んでからも、ケガばかりして早々に引退を考えていたそうである。しかし、ケガを克服し、自分の肉体の不利な部分を徹底的にケアして今日まで走り続けてきた。そもそも陸上競技では190センチ以上の体格は不利で、スタートダッシュに顕著に遅れが出るのだという。おれはそんなことも知らないで、体がでかいんだから足も速いのに決まってら、なんて思ってたわけだが、今更ながら無知に恥じ入るばかり。生まれつき肉体的に有利なのかと思い込んでいたら、実は真逆で生まれつきに不利な環境を努力で挽回しようとした人物だったわけだ。自分が恥ずかしい。

そんな努力の人でも、最後のレースではやはり何度も繰り返していたケガに襲われ、リタイアする羽目になった。世界最速の男のラストレースは、人生で最も時間のかかった100mだったわけだ。しかし、そんな惨めな最後でさえもドラマチックで絵になる男だ。苦痛に耐えて努力した競技生活に率直に敬服する。お疲れ様。

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