隻眼の虎

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風変わりな映画だ。これも一種の抗日映画なのだろうか?こういう変な映画を観るのも楽しいものだ。的外れかもしれないが、ツラツラと感想でも書きたい。

大杉漣が悪い日本軍の将軍?か将校か忘れたが、そんな人物として登場。

※ネタバレアリ

時代は1920年代?ちょっとわからないのだが、日本軍の着用する軍服を見ていると、1920年代後半から30年代前半ぐらいかな〜。

物語は歴史的事実とはあまり関係なく、引退したマタギが、山の神同然に君臨する宿敵の虎と殺し合うというカンジ。

こう書くと面白そうなんだけど、猟師(チェ・ミンシク)が、珍しく人道的なお父さんの役で、いつものキチガイな感じはまったくない。厳しいが情に厚いお父さん。一粒種の息子との親子愛がテーマの中心に据えられる。

チェ・ミンシクは珍しく真人間の役

日本統治下の朝鮮を選んだ理由はよくわからない。とりあえず、マタギの親父はその昔、猟を調子こいてやりすぎて虎に妻を殺されてしまうのだが、復讐とばかりに虎を殺す。しかし、虎にも子供達がいて、残された子虎を見ていると罪悪感でいっぱいになって銃を置きマタギを引退。ショボい山菜採りをしながら生計を立てていた。

そんな中、日本軍が朝鮮猟師を集めて虎狩りを始め、毛皮を売っぱらったりし始める。息子はショボい山菜採りなんかしたくないから、親父に逆らってこの猟師部隊に志願。三八式小銃を受領してにやけ顔。

しかし、いざ虎狩りとなると、虎はまさに化け物で息子はあっさり殺されてしまう。猟師部隊と一緒に日本軍の歩兵部隊も壊滅(笑)。虎1匹に為すすべもなくやられてしまう。

虎は100パーセントCGでアクションのできは微妙である。。

かつて自らの手で親を殺した小虎に、十数年の時を超えて今度は不肖の息子を殺されたチェ・ミンシクは、保安官に拷問されたランボーよろしく怒り爆発。虎と刺し違えて長年の因縁にケリをつける。

筋は王道で、悪く言えば驚きも何もない展開だ。

あまり日本統治時代を舞台に選んだ理由がわからなかったんだが、大杉漣が猟師部隊の親玉将校として登場。ただ、悪役としては全然インパクトがない。ちょっと偉そうで朝鮮人の気持ちがわからないだけ。つうか、ほかにそんな悪さもしないのだ。自然を敬い、無闇に動物を狩りたくないチェ・ミンシク側と、そんなもん知らんから毛皮で大儲けしなさいという日本側の構図が単純に示されるのみだ。

朝鮮人を処刑したり暴行したりするシーンは一切ナシなんで、若干の拍子抜け。安心して観れるかもしれないが、そのぶんネタとして楽しむ用途もなく、中途半端な印象だ。

中途半端さは日本側の描写にも現れており、日本軍の考証は完全に落第。何か重大な勘違いがあるとしか思えない。これは先日観た「お嬢さん」でも感じた。これも日本統治下の朝鮮が舞台のサスペンスだが、歩兵が町中を行進していると子供が面白がって真似をしながら後をつけるのだが、部隊長と思われる将校が「コラー!!」と軍刀を抜いて子供を追い払うシーンが冒頭に用意されている。行進に子供がついてくるのはそんなに珍しいことではなく、そんな軍隊に憧れている?コドモ相手にいきり立って抜刀する将校がいたとしたら、そいつは末代まで鼻で笑われるはずだ。日本の軍隊では、部隊長が抜刀するのは非常に重大な意味を持っていたので、こんなことはまずありえない。小さなことかもしれないが、映画はこのようなディテールこそが重要なのだ。

その点、この「隻眼の虎」も似たような不思議な日本軍を見ることができる。とりあえず日本語がおかしい。吹き替えで見ていたら、韓国俳優が日本語を話す場面も日本語に吹き替えられていたので大爆笑した(笑)。そうだよなあ。これはわかんねえよ(笑)。

あと、大杉漣がなんか喋るたびに、部下たちは「ハッ!カッカ!」とみんなで声を揃えて絶叫するんだけどさ。。何回も何回もこんな場面があるんだけど、これも奇妙なシーンである。。韓国軍的なんだよな、、、日本軍は、部隊長が何か訓示したとしても大声で返事したりはあんましないと思う。。少なくとも日本の戦争映画ではほとんど見ない。この辺もディテールの詰めが甘いと言えるだろう。

大杉漣でさえ、なんだか奇妙なアクセントの聞き取りにくい日本語を話すので、わかりにくい日本語が一つのお約束なのか?それともこれが韓国人には聞き取りやすい日本語なのだろうか?

日本と似ているようで非なる国。不思議の国韓国のどこか生真面目な様子がネタにするのを躊躇わせる。どこか斜め上な映画である。。

バッタバッタと日本兵を噛み殺しまくる虎の姿は、韓国の観客へのサービスシーンに他ならない。日本兵を殺しまくる虎は同情にあたいするのである。虎の残虐非道かつ哀愁に満ちた雄姿と、マタギとの奇妙な因縁をドラマチックに描いた見やすい娯楽映画だ。

ポスター渋いな、、、

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