と・・利根川

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やばいなこれは。。。久々に漫画読んで笑い転げたけど、作者はよく見ると福本伸行先生ではないようだ。。。プロ公認の二次創作のようなものか? その割には異常に完成度が高い。かなり楽しませてもらった。

利根川といえば、社会に出る前にクソ大学生だったころの自分に、社会というものの過酷さをキッチリ説教してくれた大恩人だ。もちろん当時のおれは利根川の言葉を聞いて社会という魔物に恐れをなして逃げ出したくもなったが、今考えてもこのおっさんの言うことは何一つ間違ってはいなかった。

加えて「最強伝説黒沢」なんかも同時期に読んだのだが、社会人の辛さ、歳をとることのしょっぱさ、時間を無為に浪費する危うさを教育して頂いた。この国で企業戦士として戦う宿命にある国民男子諸君は、全員正座でとりあえず読むべき漫画だ。学生時代に読むべきである。福本漫画を読んで、来るべき恐怖に毅然と立ち向かってほしい。

さて、これは「カイジ」のパロディ漫画のような位置づけで、原作のシリアスさは微塵もないが、原作のファンほど大笑いできるのは間違いない。特にフィーチャーされているのは、日本の馬鹿馬鹿しく滑稽だが、付き合っていくしかない企業風土と、そんな会社の中で中間管理職として心を砕き、帝愛グループ会長のご機嫌を取りつつ部下の面倒を見る利根川の悲しくも渋い姿だ。

中間管理職というものはしょっぱい立場だ。上のご機嫌を取りつつ、部下にも嫌われないようにしないといけない。この漫画の中では、想像をはるかに上回る普通に人の好い上司、利根川の姿を確認できる。部下の黒服たちも不器用ながらも情に厚く、クレバーなようでどこか抜けた上司を全力で支える。こんな会社あったら嫌だし、利根川の部下になりたいとは毛ほども思えないが、ギャグ漫画としては完全に大成功だろう。古臭くもどこか懐かしい、ストレートなギャグの数々。35~50歳ぐらいの男性(「カイジ」が好きなのはこの世代やろ?)には違和感なく受け入れられる爽やかなギャグ漫画だ。いつも一生懸命な利根川の姿はとにかく涙を誘う。

こんな人間臭く悩み葛藤する利根川を見たくなかった人もいるかもしれないが、利根川さんだって人間なのは当然だ。これまで数々の死線を潜り抜けてきた勝者でも、腹が減ればかつ丼を大盛りで食うし、週末のゴルフは楽しみだし、福岡に出張になればビール飲んだりもつ鍋を食うのだ。

もちろんこの漫画は、現実に存在するとはにわかに信じがたいような、馬鹿馬鹿しい日本の企業風土とそこで私を殺して働く人々の群像劇で、ギャグのようでいて、日本の会社あるある系のお話だ。こんな馬鹿げた世界で長時間働いているのが日本人というものだ。その哀しくも滑稽な姿を噛みしめてほしい。

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