最近はモノホン日本兵の従軍記にはまっている。と、こう書くとお客さんは大岡昇平を勧めてくるんだけど、ああいうのではなくて、もっと実際的な記録が読みたいのである。その点、この本は異常なまでに日本人的な神経質さ、カメラと日記帳を愛する記録したがりの国民性というやつを遺憾なく発揮した、世界に恥じぬ従軍記である。強くオススメしたい。
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「 2016年10月 」一覧
静かなノモンハンー伊藤圭一
今年は読書強化年間だったが、これは今年度読んだあらゆる小説でぶっちぎりの1位をつけたいと思う。もちろん個人的な裁量ではあるが、これほど琴線に触れた作品はなかった。ちなみに2位は「生きている兵隊」。
遮光ー中村文則
最近のマイブーム、中村文則氏の二作目にあたる小説だ。氏が24〜25歳の頃に書いた小説なのだという。2時間で読み終わった。野間文芸新人賞受賞作。
普通なら、人生で一番忙しい時期だ。
青年諸君は勝利か滅亡かの闘争に全存在をかけて挑まねばならない時期である。この戦いに敗れるか、逃げ散った者を、我々の理想社会は決して受け入れない。
生きている兵隊ー石川 達三
これはお客さんに勧められて読んだのだが、想像以上に面白く、かなり熱中して読んでしまった。文量もちょうどいい。こういう小説をおれも書いてみたい。
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