殺されたミンジュ 高品質韓国ノワール

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「嘆きのピエタ」でも韓国黒社会と、底辺で蠢く人々の闇の群像劇を描いたキム・ギドクの新作ということで「観る~!これ観る~!ボク観る~!」という感じで映画館に行こうと時間を調べていたら、もう公開停止、、、どこでもやっていない、、、という感じで、早い話が見逃した本作であるが、最近すごく久しぶりにTSUTAYAを冷やかしていたら見つけたので即借りた。



ジャケからして邦題からしてクソカッコいい本作。映画館で見逃したのは最大の後悔。がっちり貧民労働者階級のハートを鷲掴みにする内容「これは明らかにレーニン主義というか、武力革命路線を肯定する内容じゃん、、、北朝鮮がすぐ上にいるのにこの内容はクールすぎるぜ、、、」と、主におれのハートをがっちりつかんだ超絶傑作! すごい! 観るべし(笑)。

ストーリーは観念的で、あまりしっかり理解しようとしなくて良いと思う。監督がみた夢というか、悪夢というか、理想というか、希望というか、、、、そんな感じで、意図的に不可解な場面やつじつまの合わない場面が挿入されているが、これは高度な計算に基づくものと思われる。ストレートの剛速球160キロが大得意の韓国映画にしてはひねったストーリーで、剛速球だけどちゃんとカーブもするという感じの映画だ。←?

これはストーリーを語るのはやめておこう。かいつまんでいえば、特権階級、役人、金持ち、権力者、DV野郎、ブラック企業、ワンマン社長の町工場、金貸し、詐欺師など、弱い貧民層から搾り取って甘い汁を吸う連中を次々に拉致って拷問を加えるという描写がえんえん続く映画だ。素晴らしすぎる。拷問メニューも韓国らしい悪趣味さに加え、バラエティが豊富で、しかもキッチリ痛い! 見ていて痛すぎる! 現実味のない暴力シーンで溢れるこの偽りの理想社会で「本当に殴ってるんじゃねえか…?」と戦慄せざるを得ないほど素晴らしい。

尋問兼拷問担当官マ・ドンソクの狂犬のような荒んだ目が、また狂気と恐怖を加速させる。

one

こわ・・・

カッコいいなあ。。。

少なくとも今の時点では、おれ的に世界最高ランクのかっこよさなんだけどどうでしょうか。。。この人があらゆる特権階級をど突きまくる、ただそれだけの映画ともいえるが、実際は冒頭で述べたように反資本主義やアナキズムといった思想が込められていて、暴力革命を肯定するかのような非常に危険な内容、、、18禁も納得である、、、(まあ、年齢制限かかったのはエロいからだと思うが)

暴力、金、恫喝で人民を支配し、搾取し、操作する特権階級に怒りを燃やすマ・ドンソクだが、拷問を続けるうちに搾取される側の弱者も、搾取されること、支配されること、思考を奪われ操作されることに安心感を覚え、特権階級を排除することに不安を感じていることに気が付く。奴隷慣れ。これこそが真の敵であるが、マ・ドンソクの弱者を眺める目はあまりに優しく、世の中を変えるための最後の一手がどうしてもうてない、、、、

「コーストガード」などでも、非道な命令で民間人を射殺してしまい、罪悪感に苦しむあまり狂ってしまった韓国兵が非常にくら~~い演出で描かれているが、キム・ギドクの原点を知るうえで、過去作をチェックするのもいいだろう。

DV野郎にしこたま殴られ、どやされ、なじられ、管理される女だが、その後の情のこもったセックスに、「愛してる」という囁き、そして金はしっかりくれるし「まあ、悪くないな」と付き合い続けるわけであるが(しかもセックスでは本気で感じてイってしまう。女ってこういうもんだよな、とひたすら暗くなる最悪のシーンだ)これが最も象徴的でわかりやすいシーンだろう。こういうものがまかり通っているのがこの世の中で、そんな世の中を変えるには、断固とした容赦のない大量テロルしかないわけである。

貴方はどう思うだろうか? マ・ドンソクに感情移入できなかった人、きっとそれはアンタが搾取する側の人間だからかもしれないよ(ニコリ)。

もし投機を行う者に対してテロを実行しないなら――ただちに頭に弾丸を撃ち込まないなら――我々は何一つやり遂げないで終わろう

――レーニン

まさにこの映画を一言で表すレーニン様のお言葉。心に染みる。

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