映画「Чекист(チェキスト)」

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のレビューを書きました。戦争映画中央評議会にて公開しています。

詳しくは上記ページを読んでほしいが、この映画はロシア革命初期に暗躍した秘密警察チェーカーを描いた映画で、92年のロシア映画です。ソ連崩壊直後、或いは崩壊する正にその瞬間に作られたであろう奇怪な映画です。


現ロシア政府は、ソ連時代を同じロシアの歴史として考え、映画もソビエトを称賛するものばかりだが、本当につい最近まで映画の中でソ連時代を批判するのは普通のことで、特にスターリン時代の秘密警察は悪辣に描かれていることが多かった。しかしレーニンの罪については評価は曖昧で、ソ連崩壊直前にようやくレーニンがロシア革命初期のころにテロリズムを頻繁に行っていたことが明らかとなり、チェーカーの恐るべき実態も徐々にわかってきたのだという。

「チェキスト」は、ソ連秘密警察の根っこの部分にある思想を読み解くことができます。「おれたちは市民法廷じゃない。大量抑圧のための剣なんだよ」「革命は哲学じゃない」などと語るチェキストだが、彼らはテロリズムを行っていると自覚していましたし、無実の人を大量に巻き込んでいることも自覚していましたし、目指す革命が平和で平等で豊かで行儀の良い社会を作るなんて毛ほども思っていなくて、暴力と殺戮と即決裁判で、ロシア全土に地獄を作り出していることをよくわかってやっていました。チェキストの多くは民族的少数派で貧困層に位置していました。十分な教育も受けられず、貧困の中で抑圧され、絶望と憤怒の中で少年時代を過ごした人々です。銃殺班の多くは17歳ぐらいのティーンエージャーで、やさぐれた非行少年もたくさんいました。彼らが今や、どんな金持ちでも貴族でもやりたい放題に殺して良いのです。

チェーカーはイスラム国と同じく確信犯で、というよりテロリストは自らの暴力やテロを誇示して大衆に恐怖を植え付けて意のままに操る、という手法を使うのです。レーニンは革命に銃殺が不可欠で、大衆を操るのに恐怖が最も有効だと知っていました。彼はチェーカーの暴走を止めることはなく、「良きコミュニストは良きチェキストだ」とまで言いました。共産主義国家とテロリズムの付き合いは、源流であるロシア革命のころから既に始まっていて、レーニンに影響を与えたであろう帝政ロシア時代の革命家たちの思想にまで遡ることができます。

改めて思うが、イスラム国とボリシェビズムはとても共通点が多いのだ。今はイスラム国の支配領域で市民に対してどんなテロが行われているのか、ほとんど情報は入ってこないが、この初期チェーカーの姿がその実態を示唆しているように思えます。

非常~~~~に残酷で病んだ映画で、youtubeで英語字幕つきが公開されているが、我こそはという方以外は観ない方がいいでしょうね。。。

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