異世界転生とおれ

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最近は、素人の書いたネット小説の、主にタイトルだけ見る機会がしばしばあるのだが、その中でたびたび登場するキーワードが「異世界」「転生」「チート」「勇者」「魔王」である。

isekai

普段普通に生きているだけだと、世の中の流れに乗り遅れるというのは、何もジジイに限った話ではない。

いつの間にこんなムーブメントが活況を呈しているのか、知る由もない。なぜワタクシのような干物の老害がそのような事実を知ったかといえば、自分も最近小説を書くようになったからである。


書いた小説はどこかで誰かに見せたい、と普通に考えたワタクシは、アマチュア小説が集まる素人投稿サイトを利用することにした。理由は省くがブログはなんか使いたくなかったのである。

段落頭を一字下げたりとか、文字の置き換えがすぐにできたりだとか、小説を書く上での機能面に優れているため、ワタクシも書いては公開書いては公開ということを繰り返していた。で、書いたらさっそくそれをお気に入り登録してくれる読者がいたり、いいね!を押してくれる読者がいたりとかするので、モチも維持しやすく使っていてなかなか良いものだったのだが、すぐに違和感が浮き彫りとなった。

無職転生 - 異世界行ったら本気だす –
http://ncode.syosetu.com/n9669bk/

私が過去に使っていた小説投稿サイトは、「小説家になろう(以下「なろう」)」である。ここが一番の大手という理解で問題ないと思うが、上記作品はワタシが小説を書き始めたちょうど一年ほど前からずっと不動の人気作である。「なろう」はどうやらラノベが集結・・・というかラノベしかない投稿サイトであることが、ある程度時間がかかってようやくわかったおれであった。あとから知ったことなのだが、ラノベというのは、とにかくタイトルと表紙の絵が重要とのことである。タイトルのわかりやすさ、とっつきやすさ、表紙の絵の可愛さ、とっつきやすさが大事とのこと。そこまでは理解できるが、ラノベという独特の文化を理解するのにはずいぶん時間がかかった。今でもよくわかっていないワタクシだが、思うままに語ってみよう。

上記作品のタイトルはとてもわかりやすい。「無職が異世界で本気出す話なんやろうなあ」と思うわけであるが、もう読む気が削がれていることに気が付いた。しかし人気があるのには何か理由があるはず。ワタクシの小説がろくすっぽ省みられない中、この小説はすさまじい人気ではないか、、、きっとおれには敵わない何かがあるのだ、、、それを学ばねば、、、持ち前の研究熱心?な性格が災い?して、ワタクシは上記作品を何度も読もうとしたが、いつも2,3行読んで読むのをやめてしまう。コーマック・マッカーシーの句読点カギカッコほとんどなしの作品でさえすぐに読破するワタクシが・・・「慈しみの女神たち」を仕事しながら5日で読み終えたワタクシが・・・この「無職転生」にはお手上げなのである。

ううむ・・気のせいだろうか、、、とても読みにくく難解な小説・・・というわけでもなさそうだが、すごく、、すごく読みにくい。。エネルギーが吸われて行くかのようだ。。。一体この小説、、、こんな感じで一体何文字ぐらいあるのだ?

2,835,125文字

( ゜Д゜)・・・

す、、少ないじゃないか・・・でもおれの記憶容量はもっと少ないからなあ、、、もっともっと読みやすいのは、、、

と探すのだが、「なろう」には100万文字を優に超える作品が目白押し! これがいかにすさまじい数字なのかは書いたものにしかわからないものだろうか? ワタシは12万の長編を仕上げるのに7か月かかったものである。。。12万で原稿用紙350枚ぐらいの作品になる。9万文字以上で一般に長編と呼ばれるのだ。283万は異常である。小説というのは長ければ長いほど構成やプロットが複雑になるはずで、この数字はちょっと尋常ではない。下手したら広辞苑レベルではないか、、、なぜこんな広辞苑がここまで人気を博しているのか、、、その謎は今を持ってなお未解明のままだが、とにかくここはおれの居場所ではないと感じたために、あと、このブログの読者に見つかってしまったために、早々に「なろう」でのアカウントをたたんで二度と近づくことはなかった、、

と言いつつ、普段スマホで執筆するワタクシにとって、段落頭を一字下げる機能はすごく便利で、(ちゃんとカギカッコなどを区別してくれる)下書きを書く際には今でも利用している(スマホはスペースが半角になってしまうというダメ機能のために、非常に不便)。すると自然に目に入って来る異世界転生モノ・・・畜生・・・おれの渾身の小説はこれ以下だというのか・・・との敗北感に苛まれながらの執筆活動・・・どうです? 楽しそうでしょう(笑)。

ワタクシは作風として、ラノベのような読みやすい作品を志向した方が良いのではないか? と思案した時期があったのだが、今思えばラノベというものが、「軽くて読みやすい」小説だと勘違いしていたように思う。これは大間違いで、ラノベは確かにそういう側面もあるが、結局これは小説と漫画・アニメの中間に位置するサブカルチャーなのだ、という理解がずいぶん遅れた。漫画で言えば、さえない主人公がいきなり超能力を持って、異世界、あるいは異世界に準じた架空世界で大暴れするという作品は珍しいどころでなく、それこそ王道である。古い漫画にもたくさんそういうのがあるし、全然珍しいものではない。「火の鳥」だって普通の人がいきなり不老不死になるだとか、「うしおととら」もただの中学生がけものの槍を持っていきなり変身する・・・とにかく変身する話のなんと多いことか。。

そして、大抵はむやみに巨乳の目の大きなおぼこ娘が、勝手に主人公にすり寄ってくるのである。幼馴染みだのなんだのと巧妙に設定を作り出し、性欲を満たすためだけに生み出されるキャラクターたち。これは現代特有の非実在従軍慰安婦とでも呼べる現象である。。

女と付き合った経験が一度でもあれば、おかしな夢は見なくなるはずなのだが……結局アニメやラノベは童貞の嗜好品なのであろうか。気持ち悪いと言われても仕方がないであろう。

最近は「コミックシーモア」の無料漫画コーナーで、いろいろ無名の漫画を読んだが、ニートや引きこもりや童貞やオタクが超能力を得る話ばかりである。で、巨乳のおぼこ娘がすり寄ってくるところまでが様式美。こんなもんチートで異世界モノのラノベと同じである。

冴えない普段の自分を夢の世界に連れてってくれる、そんな作品が求められていることは明らかだ。

どこまで行っても人間一人の力なんてたかが知れてるのよ、どんなにがんばっても最後には這いつくばって惨めに死ぬんだよ!  お前が死んでも誰も悲しまないしみんなすぐ忘れるよ(笑)。

…という主張はどこにもない(笑)。
受けないからであろう(笑)。

今後も異世界チートものの研究をもう少し続けてまいりたい。

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