孤独のおれグルメ 焼肉編

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大抵のことは何でも一人でやってしまうワタクシなのだが、唯一「一人で行くのは嫌だな」とはっきり考えていたのが、焼肉である。

独りで飯屋に入るのも
独りで映画観るのも
独りでカフェに入るのも
独りで街をうろうろするのも
独りでスパに行くのも
独りで買い物するのも

特に平気な青春時代であった。というより友達少ないから、お一人様で行動せざるを得なかっただけなのだが、そんな自分でも焼肉だけは独りで行くのはちょっと嫌だった。

そんなおれが焼き肉行ってもいいじゃないか、お一人様でも。と思えるようになったきっかけは、はっきり、ご存じ、この漫画である。

この漫画を読むと、いつでもはっきり独身に戻りてえなあ、、という観念に襲われるのだが、まあ有名な作品だからもう紹介とかはしないが、独身貴族(死)の中年男(ゴロー)が、一人で焼き肉を食うシーンがあるのだが、これがまた豊かな孤独力なんだよねえ。。。

今読み返してもうっとりしてしまうのだが、確か川崎の工業地帯でソープ外のど真ん中に立ってるような焼肉屋を、ゴローが冷やかすのだが、平日の真昼間で、全然ほかに客もいねえのにわっしわっしと肉を食うんだよね。で、なかなかライスが運ばれてこないのに苛立って「ライス遅いなあ。焼肉と言えば飯だろう」みたいなことをボソッとぼやく。

で、死ぬほど食いまくるわけである。腹がはち切れそうなぐらいに。

どういうわけか、この場面を見た時におれは独りで焼き肉したことがないにもかかわらず、異常なまでにくっきりとした既視感を覚えたのである。「ああ、これならおれでもこうなりそうだわ」と。そう感じた。

ということで、独りで焼き肉って経験ねえけど、色々この漫画を読んで示唆されるものがあったわけよ。とりあえず、クソ混んでる焼肉屋はだめよ、ということ。肉はやっぱり安い方がいいということ。

そんな焼肉屋あったっけなあ。おれも「孤独のグルメ」みたいに独りで焼き肉食って孤独とか哀愁とか噛みしめてえなあ、、なんてことを感じていた。そして、そういえば仕事帰りの国道沿いに店と駐車場だけは異常にデカいけど、車はあんまり停まってないしちょうど良さそうな店があるなあ、なんてことを思い出したのだ。

当時は独身だったので何の心配もなくその店に向かったのだが、確かに異常に客は少なく、異常に肉は安かった。で、なんでこんなにすくのかはわからなかったが、今思えば肉は異常に油っこくてまずかったし、店員の態度とかも最悪だった。何一つお高いところのない田舎の国道沿いにぽつんと立っていた焼肉屋。そこがおれの独り焼肉デビューであった。

まあ、独りで肉を食っていると、なにかと割高になってしまう。色々な種類を食べようと思ったら、すぐにけっこうお金がかかってしまうのだ。しかしその店は肉食い放題2980円とかだったので、安心して好きなだけ食うことができた。

焼肉は複数人で来ると、とかく早い者勝ち状態に陥ってしまうのだが、独りだとゆっくり考え事をしながらじゅーじゅー焼くことができるのだ。店員は網の交換の時ぐらいしか来ないから、孤独に没入するには最高の舞台かもしれない。

でもその店は本当に店員が非常に態度が悪かったので、じきに行かなくなってしまい、もっと高級な、店員がしっかりしてそうな店に行ってみたのだが、控えめに食ったのに一人で6000円を超えてしまったので、やっぱり行かなくなった。で、次は大衆向けの激安店に行ってみたが、一人客なんか全くいない上に、常に満席状態だったからまったく落ち着くとか無理なわけで、やっぱり行かなくなった。で、結局焼肉は2~3人で行くのがいいのかなあ、なんてことを考えている。

「孤独のグルメ」のドラマ版はやたらと焼肉の回があるのだが、あのドラマほどには独りで焼き肉というのは食いやすいものではない。やっぱり敷居が高いと思っている。しかし、あの当時よく行った、国道沿いのクソ裏びれた異常にだだっ広い、店員の態度が真底悪いあのお店が、とても懐かしく思えて、時々思い出してしまう。あの時は本当に自由だった。自由より尊いものはない。

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