ディーパンの戦い

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いろいろ言いたくなってしまう映画だった。とてもセリフの少ないフランス映画の見本のようなフランス映画で、展開もゆるい起伏でラストは興ざめ。色んな既存映画の古典的なプロットをそのまま引き継いでいるが、話としては非常に地味。


スリランカ内戦については、当ブログでも非常に残酷な実態を紹介しているのだが、残念ながら腐った仏様を観たいという好事家が通り過ぎていくのみのコンテンツとなっている。もっと深く考えてほしい。

スリランカ内戦は、人口多数派のシンハラ人による政府軍と、少数派タミル人による内戦である。NPOヒューマンライツウォッチによって、政府軍によるタミル人民間人への過酷な民族浄化作戦が人権問題として報告された。

この映画の主人公たちのバックボーンはほとんど語られないが、どう考えてもタミル人のはずだ。タミル人のうだつの上がらない中年男と、若い女、九歳の少女が、偽のパスポートを与えられて、家族のふりしてフランスへ落ち延びる。

そして、フランスでショボい仕事をしながら何とか生きようとする。それだけの話だ。

戦場の場面は一切なし。
徹底してナシだ。主人公たちはそれぞれ戦争によって心に傷を受けていることが示唆されるのみ。
ショボい生活を延々続けるが、言葉もわからんし文化も違うしで、かなりストレスフルである。

フランス人はといえば、この移民(偽装)一家に特別冷淡なわけでもない。支援団体も存在してるし、娘を学校にも受け入れてくれる。それでも、ほんとに外国での生活はクソつまんない。不安だらけ。飯はまずい。意味不明。

主人公のおっさんは、地元のギャング団に絡まれ大爆発。実はおっさんは「タミル・イーラム解放の虎」の元兵士。地元ヤクザの勝てる相手ではなかった、、、という話で、こう書くと面白そうなのだが映像はいたって地味。地味極まる。ラストの戦闘シーンも「ランボー」のような説得力を感じられれば良かったのだが、はっきり言ってひどい。適当すぎると思う。前衛的だなどと褒められそうにない。

フィナーレもあれだけぶっ殺しといてあんなオチは夢だろう、としか言いようがない。

「グラントリノ」や「ランボー」など、戦場の味を知った男がひっそりと暮らしていたら、トラブルに巻き込まれて超暴れる、というのはどこにでもある陳腐なプロットだが、大衆の心を惹く素材だ。日本ではこういうのはあったかな?広義では「流浪人剣心」などがそれに当たるような気もする。

今回のこの映画は、スリランカ内戦がテーマになっていることと、肌の浅黒いオリエンタルな人々の物語が珍しい、というだけかもしれない。まあ、その辺の映像のインパクトはなかなかだった。

非常に残念なのはスリランカ内戦の、残酷な情景を回想等で構わないので、ほんの少し挿入するだけで、主人公たちがなんでこんなショボい毎日を耐え忍んでいるのか、観客は容易に想像できたに違いないのだが。なんでそれをやらなかったのだろうか?普通やるだろ?実態はコレだよ?
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スリランカ内戦 レ×プ地獄(半端なく残酷なんで18禁)

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