SLIPKNOT-The Subliminal Verses Vol.3

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おれの極貧夜学時代で、ほとんど唯一楽しかった思い出がある。それはスリップノットのライブだ。3rd発売の直後、どういう気まぐれか知らないが、普段は東京大阪までしか来ないスリップノットが、その時は福岡まで来てくれたのである。

ブラック企業にケ×をファxクされて失意のうちに関東圏離脱を余儀なくされ、地方にて再起をはかるべく勉強と日銭稼ぎに身を費やしていたおれは、この情報に飛びつき、ゼップ福岡へと向かった。


当時おれは頑固な腰痛や肩こりなど、全身を蝕む体の痛みに心底悩まされていた。今思えばそれは鬱の初期症状としての体の痛み、心気症、と呼ばれる者だったのかもしれない。既におれは労働と勉強と孤独が螺旋状に絡み合う絶望の青春時代を送っていたのだ。当然友達もいなかったので独りでライブ会場へ向かったわけだ。

薄暗く狭いライブハウスでぶちかまされるスリップノットのパフォーマンスは、想像をはるかに上回る強烈かつブルータルなものであった。スリップノットといえば、当時はモダンヘヴィネス界隈ではアイドルに近い存在だったので、おれもちょっとだけ舐めていたのだが、とんでもないことであった。

何がすげえって、ライブは絶対狭いところでやる方が面白いということだ。イントロから爆発する「The Blister Exists 」のとんでもない破壊力に完全に脳をヤられ、以降おれはyoutubeで色々な「The Blister Exists 」の動画を漁ったが、あの時のゼップ福岡の雰囲気にいちばん近いのはこの動画だ。

今観ても死ぬほどかっこいと思うのだがいかがだろうか?チョーカッコイイ。テンポも速いし全員暴れ狂っているのが、素晴らしい。特に太鼓?を叩いているデブピエロがいい感じである。ここまでヘドバンされると、メンバーもおそらく耳をヤられていると思うが、問題なくぶん回しているところがクールである。

色んなデスメタルバンドのライブを観たが、ここまで首をぶん回している奴らってあまりいないと思っている。みんな「お仕事お仕事」とゆるめに振るだけだ。あまりぶんぶん振ると耳が死ぬので当然のことなのだが、こいつらは明日をみていないのか、それとも耳栓でもしているのか、異常にテンションが高くていい感じである。

さて、ライブ会場を後にしたおれは、初冬であるにもかかわらず死ぬほど汗びっしょりで、体中の節々の痛みが全部消えていることに気が付いた。2時間以上死ぬほど飛び回って首振りまくったりしたせいだと思うが、むちゃくちゃ爽やかな汗をどんぶりいっぱいかいて、満面の笑顔でママチャリを走らせて家に帰った。死ぬほど興奮するライブだったのだ。あんな楽しいライブは経験がなかった。気分も爽快で、暗い気持ちで毎日を送っていたおれにとって、一時的とはいえかなりのセラピー効果があったようなのだ。

素晴らしいライブのおかげで偏見は完全になくなった。今でもスリップノットはとても好きなバンドだ。というわけで、素晴らしいバンドなのでみなさんにもおススメします。

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