本屋に四時間

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久しぶりに渋谷のジュンク堂書店に行って、次書く小説のインスピレーションを与えてくれそうな小説を探してみた。


色んな小説を手にとって、「小説フランス革命」に興味を持った。

著者は日本人だが、他の作品を見ると全部ほとんどパリが舞台。相当なフランス史マニアであるのは間違いない。

「小説フランス革命」は惜しくも肝心の第1巻がないので2巻を手に取ってみたが、文章は巧みでキャラクター造形も相当な知識がないと書けない神の領域。自信を失って真っ青になって棚に戻した。
このレベルには多分一生到達できないだろう。。もっと軽いのはないのか、、と色々見てみるが、どうにも内容に興味が持てずチラ見しては棚に戻すを繰り返す。

思うに、てめえの内面にしか興味がないような小説が多いよなあ。純文学というものはそういうものかもしれないが、もっと世界に関心持とうぜ。っというわけでおれはどうにも洋書に関心が向きがちである。海外文学の方がフロンティア精神というか冒険してるのが多いように思うのである。

まあ、そんなことはいいのだが、結局しばらくダンテの「神曲 地獄篇」を読んでいつも足が向くドイツ史コーナーへ。

おお、、「ヒトラーの共犯者」が新しいエクスタシーな表紙に生まれ変わって再販されているじゃないか。

ナチ好きには基本の一冊?まあ、もう持ってるのでスルーしまして気になっていた新刊、「ブラッドランド」(上下)を手に取る。

第7章「ホロコーストと報復と」を全部読んだが、けっこうな吐き気を催し言葉を失う。欧米の研究者にはあまり注目されないのだが、ベラルーシのパルチザン狩りとディルレヴァンガー旅団にスポットを当てた濃い内容。ディルレヴァンガーを詳しく書いた専門書は割とあるのだが、しっかり和訳されたのは少ない。「ナチスの知識人部隊」のフランス人著者が一冊書いているが、和訳されていない上に内容的にも歴史書の体を為していないと散々な評判である。

「ブラッドランド」はベラルーシがナチ親衛隊とソビエトパルチザン双方からの常軌を逸した暴力に晒され、人口の半分が虐殺、或いは追放の憂き目にあったと結論付けている。あまりの救いのなさに呆然自失。ディルレヴァンガー旅団のむちゃくちゃさ、15,000人のゲリラを殺したと主張する彼らが押収した銃の数はたったの90挺……ほぼ全部武器を持たぬ民間人。ディルレヴァンガー旅団は納屋に住民を詰め込んでまとめて火葬にするのが大好きだったとか。まさに「炎628」の世界。

ディルレヴァンガーたち「黒い狩人」に殺されたゲリラは35万人と推計され、その他赤軍やパルチザンに無理やり徴集されドイツ軍と戦って死んだ者達。ホロコースト政策によって犠牲になったユダヤ人たち。強制労働させるためにドイツ本国へ拉致された無数のベラルーシ人たち。犠牲総数は当時のベラルーシ人口総数の半分。信じたくない数字である。。本当だろうか?おれは三分の一ぐらいだと思っていたのでこれはショックである。半分にまで及んでいたのだろうか?

そんな感じでめちゃ面白かったのだが、なんと上下で6千円以上もするので、購入を断念。。もう少し安くなったら買って読むとしよう。上巻はウクライナの狂気の飢餓輸出についても詳しく書いていたようだった。

結局じっくり読みふけったのは小説ではなく、こういう残酷歴史本。。自信を無くしつつジュンク堂をあとにする。

で、とあるカフェでコーヒーを飲みながら、なんでもいいから一冊ぐらい小説を買って読まねえと自分のためにならないぞ、、と暗澹たる気持ちになる。。でも仕方無えや、と渋谷駅に向かって歩くが、途中気まぐれに立ち寄った駅前のツタヤ書店にて散々迷って諦めて帰ろうとしたが、偶然目に付いた「戦場のコックたち」を購入。

アメリカ空挺師団所属の炊事班の兵士がノルマンディ上陸作戦を経て北フランスでナチと戦いながら飯を作るという話らしいのだがなんと著者が日本人!!これは超絶の激レアだと言っておきたい。

まだ、ちょっと読んだだけだが、相当な完成度で、完璧にアメリカ人になりきって書いているのが超人的である。洋書の和訳したものと比べても全く違和感がない!こういうのが読みたかったのよお。この連休中に読むとしよう。勉強させていただきま〜〜つ。四時間ぐらい本屋で悩んでちゃんと戦利品を獲得して帰りました。楽しかったな。

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