ミヒャエル・ハネケ 初期作品集

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とある知人からお借りしたので、再観賞しました。ミヒャエル・ハネケの初期作品集です。


おいそれと巨匠の作品をおとすことはできないが、この三作品ははっきり言って超絶退屈なダルねむ映画だ。しかし、ハネケの初期衝動とでも言うべき、「おれっちはこういうことが言いたいんだよね!」というアレコレが右ストレートで繰り出される感じ。ハネケの他作品をみて、「ハネケたんって何考えてるんだろう・・・?」と思った方はとりあえずチェキるべきなのは言うまでもない。

この三作は三部作として同時に語られることが多いらしいのだが、別に一気に観なきゃならないわけでもなく、相互の関係は特にない。

一作目、ハネケのデビュー作である「セブンスコンチネント」。

これは三作の中でも一番ダルい映画だ。おれも何度も早送りした。特に問題のない普通に生きている(ようにみえる)家族が、普通に生活してる様子を延々みせられるだけ、ドラマもなければ起伏もなし。悪しき欧州無声映画の如く、ひどく寡黙な映画である。音楽をほぼ使わないところもこのころからだ。カメラは、一見普通だが楽しくもなんともなさそうに生活する一家を淡々と追う。そして不意に仕事をやめる父親。オーストラリアに移住すると全財産を銀行から引き出し、家に帰って家財一式を破壊。金を切り刻んでトイレに流し、クスリを大量に飲んで一家心中する。でもテレビは壊さないで最後まで観ている。謎だ。唯一残ったテレビが、ハネケの心理を解明する謎解きのカギのように思うが、おれとしてはイマイチ自信がないので何も言わないでおく。物質消費社会の象徴たるテレビを、なぜ壊さなかった?他はなんで壊したのだ?あなたはわかるか(笑)。

二作目、「ベニーズビデオ」。
これは三作の中では一番キャッチ―な作品。話もわかりやすい。でもまだまだとてもダルい映画だ。
豚の屠殺ムービーに魅せられた少年が、似たようなシチュエーションで人間の女の子を殺してしまう。それを親が隠ぺいするというストーリー。本当の事件がモデルなのだろうか?ただダルいだけならいいのだが、観ていて大変不快になる映画で、「ファニーゲーム」的なムカつきを覚える。つうか、この主演の変態の坊やは「ファニーゲーム」の主犯格の少年ではないか?困った眉毛が特徴的だ。おれの中でとりあえず困った眉毛の男のオタクは問答無用に粛清するべきじゃないのかな?と思ってしまったぐらいこのガキがムカつく!普通に女の子がかわいそうである。痛めつけられて苦しめられて、わけわかんない理由で殺されるなんて。しかも死体は細かく刻まれて農場で処理!あまりにもかわいそうである。しかし、この映画の登場人物、揃いも揃って自己保身にしか関心なし!死者に対する悼みやまさに「かわいそう」と思う感情が抜けている。なぜ抜けているのか、、、物質社会だから?ここはハネケたんの頭部をかちわらないとわからないが、ここがこの映画のテーマなんだろうなあ、、、と思うだけだ。このガキの情けないツラに憤るだけでも観る価値はあり!もっとムカつきたい人はドイツ版「ファニーゲーム」をみなされ。暴力は本来不快なの!という思想がここでもみられている。

三作目、「71フラグメンツ」。
これも意味不明かつ難解かつダルい映画だ。銀行で銃乱射事件を起こした少年の犯行前の日々を感情、演出共に排除して描いた映画。マジにダルい映画である。。。このたび再観賞したが、もうほとんど話を覚えておらん、、、ただ卓球を延々打ち返すシーンだが、これが長い!ねちっこすぎ!セッ×スもきっとそうだろう(笑)。ここで堪忍袋の緒が切れて途中で観るのをやめたのがそういえばおれの十年前だった。その後もとりあえず日を改めてみたが、何の感想も浮かばなかった。だからレビューも書けなかったのである。この映画はガス・ヴァン・サントの「エレファント」にめちゃ似た構成の映画である。多分偶然じゃないと思うが、、、あれはコロンバイン高校銃乱射事件の主犯格の犯行前の緩慢な日々を描いた映画ですげえだるいのだが、ラストは学校に殴り込むのでそれなりに見所ありだ。「71フラグメンツ」は銃乱射シーンもほんの2秒ぐらいでカットが切れるので、とことんまで娯楽性を排除している。超アート映画である。このたび二度観たがやはりよくわからなかった。

・・・さあいかがでしょうか?ここの今更レビューを観ても「よし観てみよう!」などと思う人はほぼ皆無だろうが、ハネケが後年、本当に良い映画を作っていることは確かです。その辺でハネケにハマった人はもう勧められるまでもなく既に観ていることでしょう。つうか、今日は全然勧めてないな(笑)。ファンの人はムカつくかもしれないが、おれもハネケのファンなんだよ(笑)。けなしているようでいて、これは愛なんだよ(笑)。巨匠の初期衝動を観たい人は寝心地の良い枕をわきに抱えて是非ご確認を。

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