万物は……

シェアする

今書いてる小説のネタ集めに、「万物は流転する」というとても高価な本を買う羽目になったのだが、結論から申し上げればこれはなかなか良いネタが拾える本だった。


今書いてるのは、飢餓輸出の時代のウクライナを描いた冒険ホラー小説のような趣(うそ)なのだが、とりあえずこの時代を描いた小説なり文学なりはほとんどない。映画もあまりないように思う。

と、いいつつ、そういえば「チャイルド44」はそういう話が冒頭にあったんじゃなかったかな?などと思い、本屋にくりだして文庫本を立ち読みしたのだが、これが激ヌル甘納豆のごとき、糖分と脂肪にまみれた甘々な飢餓描写であったため、おれもふーんこんなもんでいいのかな、ふーん(ホジホジ)などと思ってしまったのが運の尽きよ!

そこで書き始めたが、とりあえず「悲しみの収穫」や「共産主義黒書」や「スターリンのジェノサイド」とかはおれんちにもあるからよお。そんなのを読みつつ、この時代を勉強し直した。この時代を勉強していると、必然としてロシア革命初期の白衛軍との内戦や、ソビエト・ウクライナ戦争とか「戦時共産主義」の時代を学ばねばならないし、「戦時共産主義」の頃の大飢饉と、ホロドモールはどこがどう違うのか、なども噛み砕いて理解せねばならない。これはかなりツラい作業……にはならず、おれも初心に帰って楽しく勉強してしまった。あちゃーレーニンキチガイ度半端ねー、うわーブハーリンかわいそーとばっちりじゃーん、ヤゴーダ極悪ぅーやりすぎだよぉー、などと楽しく読書しましたが、どうにも物足らない!まだ浮かんでこない!1930年代のウクライナの農村地帯の光景がっ!……というわけで、仕方がないので「万物は流転する」を購入する運びとなりまった。これはワシリー・グロスマンの半分私小説、半分ルポタージュといったような本で、風変わりかつ読みにくい奇書であり、普通に生きていたらまず誰も1ページも読むことなく人生を終えるであろう、読む必要ない度100のへんちくりんな本だった。

あまりにもだるいので半分以上読み飛ばしていたら、ウクライナの農村地帯でコルホーズ議長をやるはめになった女性の視点で、飢餓輸出の時代の悪夢のごとき農村の風景が活写されており、これはおれにとっては値千金の内容であった。図書館でコピーすればよかったじゃないの。とも思うが、おれはとてもせっかちな性格で、熱入ってる時は1秒とて待てない凝り性サンである。ちまちま休みの日まで待てないの!というわけでアマゾンで4000円も出して購入。まあその価値はあった、と思いたい。

もう、読んでて吐きそうになるぐらいひどい飢餓の世界が描かれていて、もう勘弁してくれん?、、あとで読むから、、と一旦本を閉じてしまったほど、エグい内容である。やめたってくれ!やめたってくれぇ!と思いながらなんとか読破。ページにすればほんの10数ページぐらいだと思うが、かなり迫真に満ちた内容。あと、ウクライナの郷土料理の名前とか、ニコライの愛称がコーリャであるだとか、地味な文化を勉強できて、いい本でした。

これを読んだら、チャイルド44なんて激甘ヌル納豆であることは言うまでもない。映画は言葉が英語だし、やはり異文化を異文化の人が描くのはきついんじゃないか?とこんなこと言うと、おれもきついことをしてるんだな、と途方に暮れてしまうので止めますが、今35000字ぐらい書いたところで、物語のピークは過ぎましたが、意図せず少年が飢餓で全滅した農村地帯を一人で放浪するというロードノベルのような趣になってきたので、もうしばらく終わりそうにない。ひょっとしたら本当に5〜7万文字ぐらい行くのかもしらん。そしたら、また別の新人賞に応募してみよう。いつか誰か拾ってくれんかな、、もう少し書いたらまた試読を募集するんでよろしくお願いします。前回は色々な人に意見をいただき本当に助かりました。

そんな感じ。ではみなさんまた会いましょう。

↑↑
なにか一言メッセージでも残して行ってください