サベージキラー リベンジホラーの変り種

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日本でも2014〜15年にかけて劇場公開されたリベンジホラーだ。これは典型的な田舎に行ったら田舎もんに襲われた系のお話である。序盤は「ヒルズハブアイズ」そっくりで、聾唖の女性が一人で南部アメリカの砂漠のド真ん中の田舎道を車で走っていたら、ヒャッハーなチンピラたちに襲撃され、拉致されてレ×プされる。

ここまではまあ、普通というか王道な展開。レ×プシーンは控えめすぎて全く面白くない。控えめというか、シーンを飛ばすのはよくないだろう。レ×プリベンジホラーはいかにレ×プシーンをえげつなくするかで、その後の復讐がどれだけ過激になっても許されるジャンルだ。そういう意味で、レ×プシーンをほぼはしょったために、その後の展開も疾走感が鈍る。

とはいえ、レ×プされた女性はそのままデカいナイフで腹を刺されて死んでしまう。チンピラたちは筋金入りの南部の田舎もんで、いまだに対インディアン戦争の英雄に自分らをなぞらえて、先住民を襲ってよってたかって殺しているのである。そんなあれこれで、先住民の呪術師が日ごろの恨みじゃないけど殺された女性を儀式で甦らせる。甦らせると言ってもドラゴンボールみてえにデカい穴がふさがって健康的に生き返るわけではなく、死体のまま蘇ってまるでシュバンクマイエルの「アリス」のうさぎさんみたいな体である(笑)。いや、傷口の中には虫が這っていたりするので「無限の住人」の卍さんか(笑)。とにかくそんな体で復讐開始。

インディアンの酋長の亡霊が乗り移った彼女は無敵かつ不死身。悪党どもは手も足も出ずノされてしまうのであった。以上。終わりである。

これはリベンジホラーの中では比較的変わり種といえるだろう。レ×プシーンよりも復讐シーンの過激さがフィーチャーされているからだ。しかしやはりインディアンの酋長だとか、そんなのよりも南部の田舎男の集団のほうが現実に出くわすと怖いわけで、、、彼らがのされる後半は爽快と言えば爽快だが、怖さはまったくない。はらわた引きずり出されたり弓で貫かれたり首チョンパしたりだとか、殺し方は残酷だったがまったく嫌な気持ちにならない。これはリベンジホラーとしては失敗である。怖くなくて嫌な気持ちにならないなんて、ホラー映画としても大失敗だろう。スパイダーマンじゃないんだからよお。というわけでイマヒトツ。アメリカ南部に女性が一人で行くなんてことがないよう、徹底的な恐怖演出をお願いしたい。率直に残虐性がまったく不足した映画。