ホロコースト本 まとめ

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思うところありホロコースに関して勉強しなおしている。

そこで持っている本をばーっと読み直したり、改めてまだ読んでなかったな~というのを古書で買いなおしたりしているのだが、もうおれ、ホロコースト関係の本はほとんど読んでしまったかもしれん。。。少なくとも新しく買ったとしても目新しい知識が得られにくい。もう知ってるよとなりがちだ。効率悪い状況になってきている。まあ今更斬新なホロコースト本を読みたいといっても「遊びじゃないんだよ!」と怒られそうだ。

というわけだが、ホロコースト本は数多あれど、これ読んでおけばいいんじゃね?というのは数冊に過ぎないわけですよ。


またこう言うと怒られそうですけど、趣味レベルの話してますからね。。というとホロコーストが趣味ってどういうこと?って真顔で責められそうで怖いなあ、、、もういいじゃないですか。ほっといてくれ。

というわけでおれが気になったホロコースト本を紹介したい。おススメというわけではないが、雑感でも書いておこう。言っとくがおれは小難しいのより読みやすいのが好みだ。あまり頭が良くないので自然とそうなるのだ。


読みやすいのが好みって、じゃあなんでいきなりラウル・ヒルバーグなの?!と怒られそうだが、やはりこれは情報量が半端ない。やはり基本の一冊だと思う。といってもこれを隅から隅まで全部読む人なんているの?研究者クラスの人なら読むのかもしれないが普通はこんなの全部読まないよ〜。。ユダヤ人の学者さんが書いた学術本だ。おれもマイナー国家の対独協力の歴史(これがなかなか詳しく書いた本がないのだ)について調べていたら、一番これが網羅的で情報量も申し分なかったのでお世話になった。まあ、とてつもない本だが、辞典や辞書の類と思って手元に置いておくとなにかと便利だ。なにかと参照する機会も多い。最近再発されて表紙も新しくなったが、以前の”絶滅”の二文字がドーンと前面に出る感じのほうがより怪しくてグッド。とりあえずホロコースト興味あるなら持っておくべき本だ。高いがその価値はある。

これは面白いよ!前にも軽く紹介したけどね。怪しさ爆発のホロコースト本だ。ドイツ人ジャーナリストが書いている。この人嫌い!と言う人もけっこういるらしいが、おれは好きである。まあ言葉の操り方が実にエロくて失礼ながらゲッベルスっぽいと感じている。内容はホロコーストの進行状況とドイツ秘密警察の歴史、ヒムラーやハイドリヒの言動など併記しつつ解説しているのだが、この本の面白さのゆえんは、末端の被害者や加害者が、実際に体験したエピソードや証言をいちいち間に挟んでリアリティを増す演出が施されていること。大上段に構えた学術本ではなく、あんまり知的とは言えないエロいホロコースト本である。だが、中身がまったくデタラメということはないので、まあ楽しみながら読めるし、おれも極悪伝説シリーズを書くにあたった最もあてにした本である。これは独ソ戦の開始がすなわちホロコーストの開始と解釈しているのか(水晶の夜からという人も多いだろう)、冒頭から独ソ戦で、最後まで独ソ戦なのがイイですね。独ソ戦の残虐さについて興味がある人にこそ楽しめるでしょう。イイ本です。オススメですよ。でもやや表現が大げさなところもあるので、ヒルバーグを並べて頭をクールダウンしながら読むと良いでしょう。


これはもう何度も語ったので、もういいませんが、優れた知的エンターテインメントだね。ホロコーストやナチの官僚体制や戦史についてある程度知識があることが前提。しかもクソ分厚いので敷居はかなり高いかもしれん。おれは好きだが。。


これも資料としてかなり活用させてもらってる。ホロコーストの時期別にユダヤ人の人口の統計と追放された経路、殺害された場所、人数、実行部隊などが簡潔に書かれた地図本だ。この世で最も怪しい地図かもしれん。。なかなか整合性もあり、信頼できる内容だが、残念なのは地元民の自発的処刑(ポグロム)と、ナチの処刑部隊の所業を一緒くたにしていることだ。例えば、リトアニアのカウナスでは独ソ戦開始から地元のテロ組織が蜂起し、ユダヤ人3000名を残虐の限りを尽くして殺害。アインザッツグルッペンや警察、ドイツ国防軍はそれを大喝采しながら見物していたらしいが、これも簡単にドイツの犯罪と決めつけていいのかは議論が分かれているはずだ。まあ殺された人から見れば誰が犯人でもいいのかもしれないが、この地図はそこまで細かくわけて書いてくれてはいないので、地図で概要を把握したら、詳しくは例によってヒルバーグなどをひいて詳細を調べるのが良さそうだ。ちなみにアインザッツグルッペンを”移動抹殺隊”と邦訳しているのだが、おれはこれが色々な意味で使いやすい言葉なので、しばしば自分の文章にも使わせてもらっている。アインザッツグルッペンの各部隊はいつごろdisbannedしたのか曖昧な部分があるため、アインザッツグルッペンだと思っていたら、同じような任務を与えられた警察だったり地元の傭兵だったりするんで、アインザッツグルッペンという言葉を簡単に使うのは難しいことがある。


これは日本人の研究者が独ソ戦とホロコーストの過程を解説しつつ、各東欧諸国の時代背景や協力勢力について論じつつ、敗戦までどうホロコーストが進むのかというのを書いてる小難しい本だが、わりと高いレベルの研究本だ。日本人によるこのクオリティの本は大変珍しいので読む価値ありだ。かといって読みやすい本ではない。あと、ヒトラーのユダヤ人絶滅命令の時期に関して通説に切り込んだり、ゴールドハーゲン論争について物申したりとか、比較的新しい世代の本なので、その論旨もなかなか斬新。まあ何言ってるかわからない人は後回しにした方がよさそうである。


これはアインザッツグルッペンが好きでしょうがない人は読むといいかもしれないが、読み物としての面白さは完全に落第である。小難しすぎる。SD(親衛隊保安部)のインテリ将校の経歴やナチ思想の背景の詳しい考察、殺戮に及んだわかる限りの状況や心理状態のインタビューなど、おもしろいテーマを扱っているのだが、とてもまとまりに欠けており、読みにくいの一言だ。分厚いし。読破できる人は相当変態だろう。フランス人著者らしい深淵に切り込んでいく変態的な執念を感じるが、かなり上級者向けの本だろう。表紙がエクスタシーな典型的ナチ本でかっこいいのでつい買ってしまったが、おれも極悪伝説シリーズを書くにあたっても少し参考にしたが、パーッと読んですぐに本棚の奥に消えてしまった。


これは未完の漫画だがおもしろいのでお勧めしたい。前にもレビューを書いたので詳しくはそこで。漫画だとホロコースト本もこんなに読みやすい、というわけで入門編にどうですか?


これはリトアニアのカウナス在住のユダヤ人の体験記で、かなり面白いのでオススメしたい。この人は結局ダッハウにぶちこまれるのだが、日系人部隊に救われ、杉浦千畝のこともよくしっているため、けっこう親日的である。かなり不幸な人生で、おしまいはハートウォーミングな終わり方だが、かなり壮絶だ。ドイツの移動抹殺隊やリトアニア傭兵の虐殺風景を目の当たりにしたり、強制収容所でえらいめにあわされるのだから。大上段に構えた研究本とは違い、お勉強できるものではなく、ああ、こういうこともあったんだな〜と思う程度かもしれないが、一つの物語として完成度が高く、映画化してほしいぐらいだ。とりあえず読みやすくて面白いのでオススメしたい。


これはホロコースト本としては凡庸だが、ウスタシャ(クロアチアの親ナチ極右のテロ組織)の犯罪に関しては異例なほど詳しい。細かいエピソードもいくつか紹介されている。しかも現代のユーゴ紛争におけるウスタシャの行動や犯罪についても記載があり、連綿と連なる憎悪の系譜を一冊の本で体感できる。それ以外は特に見所はないが、日本人研究者の本というのも嬉しい。ウスタシャが好きでしょうがない人は読むといいと思う。


これは説明無用のグロ本だ。一時期に比べれば値段も落ち着いた。ドイツ警察(オルポ)がSSにも劣らぬ殺戮機構だったことを白日の下にさらした。各末端兵士のインタビューや数千ページに上る報告書から再構成した短めで読みやすい本なのだが、とても内容は残酷だ。ホロコーストの機械的イメージは一変し、現場の野蛮さがプンプン臭ってくる。かなり衝撃的内容である。訳者あとがきに昨今のホロコースト学における「意図派」、「機能派」の現状を簡単に書いてくれている。意味が分からない人は少し目を通してみるといいかも。


「ゴールドハーゲン論争」について詳しく知りたいなら読むべき本だ。作者がダニエル・ゴールドハーゲンという人物。この人が問題提起した「抹殺的反ユダヤ主義」に関しては反対論者も多く、この本自体、学術本としてはゴミと称す人もいるそうである。まあ、そんなのはいいが、これは秩序警察(オルポ)の犯罪や構成についてかなり詳しく書いている本で、それはすごく珍しいんで、ごちゃごちゃ言うのも読んでみてからでいいと思う。「普通の人びと」とは似た本だが、意見の要旨は少し異なるようだ。警察の構成についてはこっちの方が詳しく書いている。その分思わずひるむほど分厚くて読みにくい。


マニアックなナチ医者のお話がけっこう収録されているので、極悪伝説シリーズの変態医師のエピソードはこれを参照することが多かった。大変薄い本で読みやすいと言えば読みやすいかもしれない。といってもかなり胸の悪くなるお話がたくさんなので、よほど興味がなければ読む必要はないだろう・・。ナチ医者の凍結実験、気圧実験、双子を使った実験、強制避妊実験、飢餓渇水耐久実験、など非人道的なイかれ人体実験の概要と、主導した人物と背景が簡潔に記されている。



これはアインザッツグルッペンの各部隊や指揮官、時期と所在がぶっきらぼうに並べられた資料本。おおざっぱな編成時期、解散時期なども書いてある。でも無味乾燥な洋書で、資料として使う以外に使い道はない。読み物ではなく完全に辞典である。同じ筆者で「THE CAMP MEN」がでており、これは各強制収容所司令官のデータ集である。誰得なのかまったくわからない本。わざわざ買う人は頭大丈夫かな?と思ってしまうが(←おれ)、洋書にはこういうデータ本がけっこうあるので、実はワタクシも何冊か所有しております。。

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てな感じで、いやいや、他にもあれもこれもあるだろ!と言われるかもしれないが、さすがに全部紹介するほど暇ではない。
詳しい人はなにかオススメあったら教えてください。もう読んでるかもしれないけど。。。

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