殺人の追憶 すごい緊迫感

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韓国のお家芸、暴力系スリラーの初期傑作。デビッド・フィンチャーの「セブン」の影響が感じられるが、単なるパクリではなく非常によくできた映画。ラストはいつみてもゾクゾクしつつ、いや〜な後味。素晴らしい。


お話は全 斗煥政権の頃の韓国で、連続レ×プ殺人が発生。それを追う直情型の田舎デカと都会から来た頭脳派デカがコンビを組み、姿を見せぬ犯人を追う。

物証もなく、乏しい状況証拠からむやみに犯人をあげつらっては拷問を加え自白を強要するとんでもないソン・ガンホに大爆笑。軍事政権時代のハチャメチャな捜査風景はどういうわけだか日本人にも懐かしい。

アニキも弟分もそろってドロップキックが得意技。低すぎる暴力の閾値が韓国らしくて大変楽しい。

犯人は必ず雨の日に赤い服を着た女を狙う。

最初の容疑者は知的障害の飲み屋の息子。拷問にかけて自白させるが、どうにも証拠不十分で釈放。お次の容疑者は犯行現場でパンティーはいてマスかいてた土木作業員。吊るし上げて自白させるが手がゴツゴツしてるから釈放。お次は犯行の夜に必ずラジオにマイナー歌謡曲をリクエストしてた手の柔らかいイケメンがパクられる、、、

この頃には暴力デカたちの暴力捜査が問題になっていたから穏やかに尋問。しかしあくまで犯行を否認。怪しいやつだ、、!でもここは最新のDNA鑑定で精液調べれば解決じゃね?と捜査課長。最初からそうしろよ!こうして韓国にはそんな設備ないしアメリカにガイシャの精液が送られる。。。

犯人は一体、、

二転三転するストーリーは実にストレスフル。あーイライラする!一体犯人は誰だ?!一体いつまで引っ張るのか?!わかりそうでわからない真実。見えそうで見えない女の胸の谷間のような映画だ。まったくもって不可解。明らかにされない謎。

理知的デカも、もうなりふりかまっていられない!殴る蹴るの暴行を加えて自白させようとする。この変貌していく姿が悲しい。犠牲者はすでに9人になっていた。

結局犯人は誰だか見当もつかず、全てがふりだしに戻ってしまい、事件は迷宮入り。時効を迎える。

2003年、ソン・ガンホは刑事を辞めて商社マンに。たまたま通りがかった思い出の犯行現場。昔はここで必死で犯人を追いかけたなあ、、などと郷愁に浸りつつ死体が捨てられていたドブを覗き込んでいたら、ランドセル背負った女の子が「おじちゃんなにしてるの〜?」と聞いてくる。そりゃそうだ。怪しいもの。

おじちゃんは、いや〜なんとなくやってただけさ〜はは〜などと適当にごまかすが、女の子は「変なの〜。こないだも同じことしてる人見たよ〜」と衝撃発言。場は一気に不穏に。

は?いや、あの、その、その人に声かけたの?

うん

なんて?

昔自分がやったことを思い出してたんだよ、と言ってた

はぁ?!顔見た?顔見た?

うん

どんな顔だった?

ん〜とね

ゴクリ(; ̄O ̄)

よくある顔よ

( ;´Д`)…

どんな風に?どんな風によくある顔なの?

ん〜とね

ゴクリ(; ̄O ̄)

普通の顔よ

( ;´Д`)…

(; ゚д゚)!ハッ

(   °Д°   )

で、終わりやからね。。。

こんな終わり方ありかい、、

ゾワゾワする。

嫌〜な終わり方だ。

今更なにを思い出したのか、ひらめいたのか。サッパリわからない。何かあるんだろうけどね。文学的というか詩的というか。すごくいい終わり方だと思いませんか。このほんわかした小学生がまた可愛いのだ。

この映画は、さっきも書いたが、初期韓国暴力スリラーの傑作だ。古臭い映像に、景気悪そうな軍事政権時代の韓国の風景。すぐぶち込まれるドロップキックと平手打ち。しかもどうみても本当にぶちかましているのである。この痛そうな本物の暴力シーンは、現在にも受け継がれて量産され、もはや国技といってもよいレベルに昇華されている。不謹慎だし退廃に満ちた余裕のない映画だが、実にザワザワした不気味な映画となっている。でもなんか笑える。オススメの映画です。

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