“渇き。 ” シャレオツなピカレスクロマン

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ブルータルでアンホーリーな暴力映画だ。にも関わらずスタイリッシュで洒落た映画である。


「無敵の人」という概念があると思うが、この「無敵の人」が主人公の映画だ。「無敵の人」とは無職とか社会不適合者で、犯罪を犯してパクられても失うものがない人々のこと。役所広司が演じる元刑事の主人公は、生来か精神病か知らないが
超短気で粗暴で神経質でどうしようもないクズだ。

いつもイライラとし、落ち着きがなく、汗が止まらず、常にタバコかんで貧乏揺すりしている。おまけにDV野郎で女房子供に逃げられている。職も失いこれ以下はないぐらい落ちており、ものの見事に「無敵の人」である。

いや、またワシの経験の話で悪いけどな。
男は家族はいなくてもいいんだ。
別にいなくても大丈夫!
でも職を失うのはまずい(笑)。

ひとたび職を失うと再起は不可能!
転職でキャリアアップ??
んなわけあるか馬鹿野郎!
転職はすればするほど年収が下がる!
それは世の中の常識だ。知らんのはガキだけである。

でも仕事って続けるの辛いんだよ、、

心が蝕まれるというかあ、、

病んでくるというかあ、、

しかし失業していたころはそれこそ緩慢な地獄であった。社会のクズという自覚がありましたが、どうにもならんかったなあ。友達もいなければ女も寄り付かず金がなくていつも飢えて水道水を飲んでいた。しかしタバコだけは増える一方。いつもいつも貧乏揺すりしながらタバコをかんでいた。イライライライラして夜は眠れず、人相もかなり悪かったと思う。とにかく異常に怒りっぽくなったのはあの頃のせいだ。今はだいぶ立ち直ってタバコもやめたが不眠とイライラと鬱は治っていない。うつ病は脳の病気で、基本的には治らないようだ(中枢神経は再生しない。うつ病と脳の因果関係は解明されていないが、「心の主座は脳である」-ヒポクラテス)。

というわけでございますが、原作は全く読んでないんで勝手なことは言えないが、刑事という仕事は続けるのは辛いんだろうか?仕事で病んで家族にあたりまくって嫌われたのか、生来からクズなのか、、

役所広司のやさぐれ具合はこの映画の最大の見所だが、ストーリーも実際の事件をモチーフにしていて割と奥が深いらしい。世の中の闇についても考えさせられる映画なのかもしれない。

しかし役所広司をはじめとして、登場人物がタランティーノ的な感じというかあ、、、ブルータルでマッドネスでむちゃくちゃすぎてかなり笑えるのだが、やや現実味はないかもしれない。「凶悪」ジュンちゃんや先生ほどのインパクトはなかったかもしれない。

役所広司はむちゃくちゃだが、女房子供もドつきまくり、浮気されたら浮気現場に車で突っ込み、やることなすこと人間の小ささを隠そうともしないその姿勢には共感してしまった。等身大の人間というのはこんなもんだよな。

とはいえ映画全体はオシャレな作り。
役所広司がたまにダニー・トレホに見えたりする。あとすごいなあと思ったのが、役所広司の娘の加奈子役のお嬢さんである。演技とか抜きでも、悪女にしか見えないところがすごい。このとんでもないアンファンテリブルに皆が終始翻弄されるお話だ。でも正直なぜこの人が皆からそんなに好かれるのかという説明はなく、お顔がきれいなだけ??では説得力が薄いと思う。原作を読めばわかるのだろうか。

映画観ながら、この娘といじめられっ子のくだりは真剣に殺意を覚えるほどだった。とにかくこの映画に出てくるガキはみんなムカつく!いじめられっ子のガキも気持ちの悪いポエムばかり唱えやがって!まあそれは映画の伏線であり、ケチをつけるところではないのだが、この映画に出てくるガキはかなり現代風に描写されていてリアルそのもの。ムカつくのはリアルだからなんだな。つまり優れているということだ(笑)。違和感ないし。でもあまりにムネが悪いので早送りしてしまった(笑)。ディスコポップみたいなのバックにプリクラみたい写真撮りまくるシーンは苦痛で死ぬかと思うほどである。これはイタい。脳が。なんか辛い。。

そのクソガキどももだいたい惨たらしく死んでいく。つうかこの映画の登場人物はだいたいひどい目にあってとんでもないことになってしまう。やさぐれ指数が大変高い映画で、ピカレスクロマンというにもかなり過激な方だ。

話がよくわからなくてもキャッチーでスピーディーでテンポよく大変みやすい映画。実は原作は本屋で手にとったことがあるが、パラパラと読んですぐに断念した(結構分厚いんだよ!)!役所広司が実に自然にダメな暴力男を演じていて、それがなければこの映画はどうなったかわかりません。それぐらいこの映画の役所広司は名演だ。この路線でダメ男の役ばかりやってくんねえかなあ、、、

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