ブラックメタル的サブカルチャー⑤ 第七の封印

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dai7

1957年公開のイングマール・ベルイマン監督作品。スウェーデン映画。神の不在をテーマにした物語だ。正にブラックメタル的といえるだろう。

これは管理人イチオシのブラックメタルバンド、「フューネラルミスト」の伝説的名盤「salvation」に数々の引用がなされている映画だ。アートワークもそうだし、曲と曲の合間にたくさんのインストが使われているが、多くがこの映画のワンシーンを切り取ったものなのである。

・・とウィキペディアに書いていたからこの映画を観たわけだが(大したことなくてすいません 笑)、DVDは廃盤だしyoutubeで観れるけど、スウェーデン語に英語字幕という・・イケルッショ!と思って観てみたはいいが聖書の寓話など引用されていて辞書にも載ってない単語が多発!これにはやられた・・!半分もセリフは理解できなかった(笑)。

しかし色んなレビューサイトをみてある程度理解はできた・・わけではないが(笑)、どうも日本語字幕があったとしても相当難解な映画だということである。

ストーリーは十字軍の遠征で疲弊しきったある一人の騎士が、故郷へ帰ろうと長い旅をしている。そこへ死神が後をつけてきて「おまえおれと一緒にこねえか?」と物騒なことを聞いてくる。そこへ騎士は「あんたチェスできるかい?」と応じ、「もしおれが勝ったらおれを解放してくれよ」と死神に持ちかける。快諾する(笑)死神だが・・。

死の運命が訪れた騎士が延命を望むのは、神が本当にいるのか確信したいがためである。中世の長い戦乱の世で、理想的価値観をぶち上げ戦争に突入した十字軍だったがその蛮行は酸鼻を極めた。罪もない人々がレ×プされ殺され、魔女だと言いがかりをつけられ火刑に処され、神の名の下に血の海に沈められていく人々・・そして追い討ちをかけるように欧州全体で3人に1人が命を喪ったペストの猛威・・神はどこにいるというのだろう・・なぜ我々にこのような試練を課すのか・・騎士はそれを神に問いかけたいのである。

あるシーンでは火刑に処される女性に、「悪魔を見たのか?悪魔なら神の居場所を知っているだろう、どこにいるか教えてくれ」と必死に問いかける。しかしどうにもならないことはわかりきっているのだ。

死神とのチェス勝負は長引き、騎士は妻の待つ城へと旅を続ける。その道中様々な人々に出会う。信仰心の厚い旅芸人の一家や退廃した聖職者など・・

その中でも特筆すべきはペストの蔓延を審判の日が近いと考え、異常な苦行を自らに課す黒衣の集団である。↑の画像はその一シーンだが、彼らは十字架を背負い聖歌?を歌いながら自らの体に鞭を打ちつける。キリストの受難を再現しているのか・・彼らは自らに業苦を課すことで審判の日が来た時に神に許しを請おうとしているのである。その異様さといったらない。神の存在に疑惑を抱いていなければこんなシーンは絶対に撮らないと思う。この監督がそもそもそういう人なのではないだろうか・・

結局騎士の努力は報われず神に会うことも信仰心を取り戻すこともできなかった。チェスでの対決にも敗北し、死神にいざなわれ信仰心を失った者たちは騎士と一緒に命を刈り取られる・・。その表現がまたデカダンスに満ちていて美しい。死神に導かれ、数珠繋ぎにみんな仲良く手をつないで歩いてゆく・・行き着く先は冥界なのだろうが、この神なき業苦に満ちた地獄のような世界からようやく旅立てるという喜びに満ちているかのような軽快なダンスのような足取りで去っていく騎士たち。

・・信仰心を失わなかった旅芸人だけは命を失わずに済むという結末が用意されているが・・

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解釈云々は他サイトに譲るが、この映画のデカダンスに満ちた中世世界の描写は一見に値すると思います。

ブラックメタルバンドがこの退廃世界をアートワークに利用するのも至極当然なのではないでしょうか。ブラックメタラー必見!英語の辞書も必須(笑)!

「フューネラルミスト」の「salvation」を気に入ったらこの映画も観たくなるでしょう・・多分。

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