初級
CRADLE OF FILTH(イギリス)
まずブラックメタルに興味を持ったメタルキッズが最初に聴くであろうバンドはこのクレイドルオブフィルスだ。
イギリスのバンドであり、吸血鬼をモチーフにした耽美な世界観とシンフォニックなシンセサイザーが持ち味だが、ブラストビートをはじめとした強烈な激速サウンドは中々カッコいい。「スレイヤー」のヘルアウェイツをカヴァーしたり、スラッシュメタル調の曲調も見られ・・・・何言ってるんでしょう?この人。専門用語だらけで意味不明だ。文字で連ねてもしょうがないから聴いてみてくださいね!
MAYHEM(ノルウェー)
メイヘムは第1章で登場したアーセスのバンドだよ!アホみたいに有名なブラックメタル界の教祖的存在だ!本気度の高い本物志向ブラックメタルだが曲構成はキャッチーの一言。伝説のバンドだが最も初心者向けのサウンドを奏でるブラックメタル基本中の基本の一作である!今聴いてもめちゃくちゃカッコいい!
NAGLFAR(スウェーデン)
ナグルファーはスウェーデンの伝説のバンド「ディセクション」のやり方を踏襲した正統派のメロディックブラックメタルと呼ばれる一派の代表バンドだ!音的にはメロディックデスメタルそっくりで、シンフォニックブラックと並び最も聴きやすいブラックメタルだと言えるだろう。
中級
DARKTHRONE(ノルウェー)
最も有名にして古いブラックメタルバンドの一つだが、彼らは最初デスメタルバンドだった。メイヘムやバーズムの影響を受けてコープスペイントを施し、本気度200のブラックメタルサウンドを作り上げた。延々同じパートの繰り返しと吐き散らすようなヴォーカル、しつこいぐらいのトレモロリフ・・プリミティブブラックメタルという原初的サウンドの教科書的な傑作を次々世に出していく。フロントマン「フェンリッツ」はノルウェーでは最も有名なミュージシャンの1人だ。
EMPEROR(ノルウェー)
メンバーのうち3人が豚箱経験者という恐怖の経歴を持つバンドだが、ブラックメタル・シーンで最も有名で影響力があり、人気のあるバンドだ。フロントマン、イーサンがリアルサタニストなのは既に紹介したとおり。そのサウンドは暴虐的でありながら美しく神聖な雰囲気が漂う。
DEATHSPELL OMEGA(フランス)
フランスのカルトブラックメタルバンド。とにかく実力が抜きん出ていることで有名である。様々な音楽シーンを遍歴したMikko Aspaが参加してからは哲学や思想性にも拍車がかかり、サウンドも同様となる。↓の曲はブラックメタル史に残る最強の一曲であり、日本からは滝廉太郎がゲスト参加している(笑)。これほどの完成度を持ちながらメンバーの素性はほとんど明らかにされておらずライブも一回もしたことないという徹底したアングラ志向の本気バンドだ!とにかくこの曲を聴いてパッとしないならブラックメタルを聴いても意味はない!時間の無駄!さっさとママのところに帰んな!
FUNERAL MIST(スウェーデン)
スウェーデンの重鎮ブラックメタルバンド「MARDUK」のフロントマン、Ariochによるバンドだ。
速くて邪悪でスラッシュなこれぞブラックメタルといったサウンドだがカオスに満ちた曲展開とうなるようなデスヴォイスが特徴ですな。これも実力が抜きん出ていると思う。曲が短くて聴きやすい上にインストがいっぱい挿入されててメリハリがきいているのでまたまた聴きやすい。アートワークもめちゃくちゃかっこよくてこれぞ反キリストって感じで素敵。
上級
ANAAL NATHRAKH(イギリス)
これは完全に上級者向けのバンド。色んな意味でブラックメタルの王道路線からは少し外れている。どう考えてもブルデスに近いサウンドだがブラックメタルということらしい。アートワークも反キリストを感じられるものではない。殺人とレ×プのにおいがプンプンする。ドラムは打ち込みなのかなんなのかむちゃくちゃ速いしヴォーカルは怪獣そのもの。ノイズまみれでインダストリアルの冷酷で無機質な旋律がデスメタルと融合し始めたのはこのバンドが登場した辺りからだろう。よく似たバンドに「THE BERZERKER」というオーストラリアのバンドがいるが、アレと比べるとしっかりブラックメタルやってるなぁ~と感じるから不思議だ。ところどころエンペラーぽいしね。初心者は手を出すとトラウマになるよ。でも日本盤も発売されて非常に人気のあるバンドである。
NOKTURNAL MORTUM(ウクライナ)
これも色んな意味で上級者向けなのかな?サウンドはとっても聴きやすいんですけどね。リアルの極右なんだよね。このバンド。ウクライナ・ナチなのかな?ウクライナのジプシーっぽい民謡をプリミティブなブラックメタルの中にぶち込んでいるね。ドイツ風ナチならジプシーは嫌いなはずですものね。これが不思議と親和してるんだ(笑)。こういう試みはこのバンドが登場してからは徐々に増えていくわけだけどこのバンドはいささかやりすぎな感が(笑)。「セイヤー!」とクリーンヴォイスで掛け声?上げてから疾走を始めたりさ。笛の音色とノイジーなギターリフを刻んだり・・普段は汚いデスヴォイスでテンション高すぎてキ×ガイっぽいしね。変態サウンドです。でもとっても聴きやすい。かなり個性的だからブラックメタル初心者が聴くにはやや難解すぎるか(笑)?
BURZUM(ノルウェー)
アレ?ヴァイカーネスのバンド、バーズムはやっと登場なんだね。アレだけヴァイカーネスヴァイカーネスって書きまくっといて。ブラックメタル界最重要イデオローグとまで書いといて。でもなあ。仕方ねえんだよ。こいつの作る音楽はもう本当に上級者向けと言うしかない。ブラックメタルなのかな?これって。変態すぎるサウンドだがこれは紛れもなくブラックメタルなんだよ。トレモロリフに延々続く同じパート。長すぎる楽曲。むんむんかもしだす民俗調のペイガン的世界観、アートワーク。ノイズまみれで劣悪な安っぽいサウンドプロダクション。もはや何言ってんだかさっぱりわからんチリチリのギャーギャーデスヴォイス。嗚咽のようでもある。憂鬱で死にたさ200パーセントのメロディ。これを全部独りで作ってるんだからね。人生そのものをブラックメタルに捧げた真の体現者だよ。中二病も本気でやっちまうとカッコいいということを証明した男でもある。これをはじめて聴いたおれはまだ十代だった。その衝撃は計り知れない。初心者がまず最初に聴くバンドという意味では失格だが、めくるめくブラックメタルの世界に魅了された貴方が必ず聴くことになる最重要バンドであるとも言っておこう。
番外編
「おれひいた~これはやばすぎるよ~」のコーナー
SILENCER(スウェーデン)
これは・・。もはやサタニズムとかそういうのはどこへやらだ。
自殺系ブラックメタルというジャンルがある。鬱系とかデプレッシブブラックとか言われることもあるが、基本的には同じものである。ブラックメタルのジャンルとしては最も新しいジャンルだ。真のサタニストは老化や寿命で死んではならない。自殺するべきだ。とディセクションのフロントマン、ジョン・ノトヴェイトはそう主張して本当に自殺しちまった。最も病んでて狂ってて暗いメタルだ。
このサイレンサーはヴォーカルがリアルの統合失調症であるということで有名。声はすごい・・キ×ガイがわめいている感じだ・・。もはやデスヴォイスですらない。ヒャーーー!!って感じだ(笑)。ヒャーヒャー言ってるだけと言えなくもないが(笑)。確かにキ×ガイって感じだ。アートワークも自傷行為が高じたのか包帯まみれで痛々しいヒトのような物体がお出迎えしてくれる(笑)。う~む・・これはかなりやりすぎだね。おれは笑っちまうもん。ヴァーズムの狂気を超えてるとよく言われるけど、これは聴きようによってはギャグにしか聴こえないかもしれん。。メタルを知らんダチはこれ聴いて大笑いしてた。正直、うるせえよなあとも思えてくる。演奏陣は寒々しいリフを刻んでおり上質なブラックメタルをやっているのだが・・。これはやりすぎちゃってると思う。ホラーとギャグは紙一重だということを改めて教えてくれたバンドだ(ほめ言葉になってない 笑)。
NKVD(フランス)
これは激ヤバだよ~・・。フランスの正体不明インダストリアルブラックメタル。ジャケットがやばいよお~・・。なんなんですかねこれは・・。NSなのか?どうもソビエト連邦がテーマのようだ。でも曲名は思いっきりナチを連想させる。要するに極左だろうが極右だろうが似たようなものさということかもしれないね。おれと同じ考えだよそれは(笑)。サウンドはむちゃくちゃ重苦しい・・どよーーんと覆いかぶさってくる感じだ。ひたすらRAWなリフにマシンドラム、行進の様なサンプリングを入れている。しかも全曲全部同じような感じで、一見さん完全お断りサウンドだ。思想的にも得体が知れなすぎて怖い。フランスのバンドは冗談抜きの本気バンドが多いから怖いよぉ~・・。
XASTHUR(アメリカ)
これやば~い・・。これ・・これは・・。プリミティブブラックメタルが求める要素は全て含まれているね・・。つうか音こもりすぎ(笑)。ギターはノイズにしか聴こえん。人の声は洞穴から聴こえてくるようだ。ドラムもかすかにトコトコトコトコ・・ってだるそうに叩いてる。やる気が全部そぎ落とされていくかのような憂鬱なシンセ。マレフィックというヒトの独り鬱ブラックの大御所だ。CDも割と手に入りやすいが、相当修羅場をくぐったヒト向け・・つうか本当にブラックメタルが好きなヒトのみがこの鬱の世界に耐えられるんだろうなあ・・。それにしても美しい旋律だ・・荘厳でもあるから不思議。変態だが実力もある。そんな独りブラックです。
13バンド紹介しましたよ!!13だなんて!悪魔的~!カッコいい~!
今回紹介したバンドは全てシーンを牽引してきた超大御所バンドばかりで、ブラックメタルファンでこれらのバンドを知らない人はいないでしょう。それぐらいの大物たちです。しかしブラックメタルの魅力はその地下精神性にあります。実力のあるバンドが有名であるとは限らないのです。わけのわからん聴いたこともないようなバンドがいい音出してたりもしますので興味があったら探してみてください。
いいバンドを見つけたら情報交換しましょう!(^o^)/
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