SATANIC WARMASTER-Carelian Satanist Madness

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フィンランドのプリミティブブラックメタルの雄「SATANIC WARMASTER」の3rd。


初期DARKTHRONEや初期MAYHEMが奏でる黎明期のノルウェー・ブラックメタルの基本を踏襲した比較的新しい世代のブラックメタルバンドだが、多分知らぬものはいないぐらい有名なバンドである。

特に個性的なことをしているわけでもないが、ドコドコドコドコ…一定のリズムで刻むドラムと邪悪かつ悲しげなリフと吐き捨てるようなサタニックデスボイスを延々繰り返している。が、時折荘厳なシンセが入ったりもする。こういうのは初期SATYRICONや初期EMPERORのようでもある。

もったりとしたミドルテンポのものもあり、これは地下臭いハードコアパンクを思わせやはり初期ABSURDのようでもある。

無個性だがその哀愁漂う美メロと構成力という点で抜きん出た実力を持っている。

基本的にはブラストビートとトレモロリフが殺到してくる感じで正にフィンランドの冬の嵐を思わせ、これこそがブラックメタルの真骨頂であり、このバンドの最も得意とする展開ではないかと思う。

基本を忠実に踏襲しつつ、完成度高く練り上げている。

さてこのバンドだが、歴代ブラックメタルバンドのパイオニアたちを激しくリスペクトしているのは曲を聴けば明らかであるが、思想面は極右である。フロントマンSatanic Tyrant Werwolf氏は、「ブラックメタルは戦争であり、憎しみである。」との名言を残している。ブラックメタルの商業化を憂いて出た言葉であり、原初的なブラックメタルを好んでいるのも確かだ。

名前や曲名からオオカミ、それも人狼をリスペクトしているのがうかがえる(ネオナチの間で狼はしばしばヒトラーを意味する。werewolfというゲリラ部隊もいた)。また、4曲目に”My Dreams Of 8″というのがあるが、“8”もネオナチの間ではしばしばヒトラーを意味する隠語だ(アルファベットの8番目がhであることによる)。

ドイツの極右ブラックメタルABSURDやギリシャの極右ブラックメタルDer Stürmerとも交流があるそうだ。

また彼はインタビューで「最も高度な社会と政治的理想は第三帝国の中にあった。おれは第三帝国にすごく興味があるし、メチャ同情してる。ユダヤの王キリストと奴が選んだ人々。全部クソだ

とまあ、聞くに耐えない極右思想だが、音楽は素晴らしい(笑)。

また、アルバムのアートワークやプロモーション映像にもシンボリックに国家社会主義や狼のモチーフを用いている。何から何までNSっぽいのだが、音だけ聴けばノルウェーぽさ爆発であり、DARKTHRONEが好きなら問題なくオススメできる。

大変影響力が強く数多くのフォロワーがいる。フィンランドブラックメタルといえば前はBEHERITをはじめとしたブルータルでグラインドコアっぽい独特のスタイルであったが、今のフィンランド勢はこのSATANIC WARMASTERをはじめ、ノルウェースタイルをさらにメロディアスにしたスタイルが広く受け入れられているようだ。

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このわざとらしいバカっぽさにも激しいメタル愛を感じる。ブラックメタルはお上品で高尚なものではなく、バカによるバカの音楽なのである。

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