凍りの掌 シベリア抑留記

シェアする

確か僕のおじいちゃんもシベリア抑留の経験があった。南方戦線を経験した人よりも、やはり満州や北支で戦った人の方が生存率がいいものなのかもしれない。おじいちゃん以外にもシベリア抑留の経験者に会うことは多かった。

皆ひどい社会主義者で、人民は、とかプロレタリアートが、とか言っていたし例外なく社会党支持者であった。※あくまで主観による

そんな中、大昔だが、今思えば亡き祖父がシベリア抑留の頃の話、というかいかにしてシベリアに連行されたか、という話をしていたことがあった。

koori

クソまみれの戦争が終わったと思ったら、人類史で最も過酷と言われたソビエトの氷漬けの収容所へ…

ソ連に武装解除され、国へ返すと汽車に乗せられた。が、太陽の沈む方角をみて祖父は気づいた。この汽車は南ではない。北へ向かっていると。

このようなディテールは、実際に経験した人間の話を聞く以外に知りようがない。もう今となっては遅いのだが、当時の僕は戦争の話に興味がなかった。おかげで貴重な話をたくさん聞き損ねたであろう。

この「凍りの掌」。作者の父の実体験をもとに漫画化されたものである。まさにおれのじいさんから聞いたようなディテールに富んだ話を嫌というぐらい食らわせてくれる。そしてじいさんの話との類似点もあれば、相違点もある。

シベリア送りといえば、死の代名詞。まさにそういった経験をした人間が身近にいた。そしてそこでの生活は想像を絶する。

九月なのにもう雪が積もる過酷な自然の中、ソ連兵に銃を突きつけられ、働かされるやせっぽちの日本兵。

行軍中の飯は痩せた土地のジャガイモをそのままかじり、マイナス30度でも平気で仕事する化け物じみたソ連兵の耐久力。日本人には考えられん。ロスケは化け物や…平気なんかこの寒さが。かたいジャガイモが。

全くツライ話である。社会主義に洗脳され、国に返される。人生すべてをソ連に乗っ取られた人々。あまりにも救いがない。だがそれが最も鮮烈な青春の一ページでもあったという事実。

またソ連の地獄の代名詞、シベリアの収容所の細かな実態とか、小難しい本を読んでもイマイチ頭に入ってこないアレコレがすんなり体験できるのである。という意味で、こういう漫画が今後たくさん出てくればいいのになあと思う。

↑↑
なにか一言メッセージでも残して行ってください